2006年2月から2年半、そして東京に一旦戻りつつも、憧れを捨てきれずに再び戻り2008年9月から住んでいる街、道都、札幌。
藻岩山や円山、手稲山などを中心に、支笏洞爺国立公園に続く豊かな山々に囲まれ、市の真ん中をとてもきれいな豊平川が流れ、
市内には大通公園や中島公園を中心とした公園があちこちに点在する、人口192万人のとっても自然豊かな北の大都市です。
そんな札幌を僕が知っている限りの範囲ではありますが、少しだけ紹介して行こうと思います。

北海道の中で札幌市は日本海側の南西部にあり、空の玄関口である新千歳空港からは約45kmの場所に位置しています。
離島を除いた北海道の面積だけでも約77,982km2と九州の2倍以上の面積があるため、道内の各都市とは大きく離れています。
一番近い有名な街は小樽で約30km。旭山動物園のある旭川へは130km、100万ドルの夜景と異国情緒の函館へは250km、
流氷の見える網走や、釧路湿原のある釧路、日本最北端の稚内などに至っては約350kmもあり、
東京からだと名古屋や仙台に行く距離に相当します。
また新幹線がどこにも走っていないため、その距離は数字以上に遠く、鉄道で行く場合は、
札幌から函館まで約3時間、釧路までは約4時間、稚内までは約5時間、網走までは約5時間半かかります。
飛行機を使ってしまえば、東京からの直行便の方が各地へ早く到着できてしまいます。
そのため、北海道では道内発着の航空路線もあり、特急列車や高速バスなどと激しく集客競争を繰り広げています。
札幌市の人口は2010年現在、約191万人。北海道内2位の旭川市(約35万人)の約5.5倍で、北海道ではダントツの1位です。
1857年に初めて日本人が定住するまでは全く不毛の地でありながら、その後、北海道開拓の中心地として、急速な発展を遂げ、
1971年、日本で4番目となる地下鉄が開通。1972年にはアジア初となる冬季オリンピックを開催しました。
同年に政令指定都市となり、人口はその後も増え続け、福岡市、京都市、神戸市を次々に抜き去り、現在に至っています。
189万人の人口は、日本でも東京23区、横浜、大阪、名古屋に次ぐ全国5番目の大都市となっています。
これは北海道全体の人口、約560万人の実に約35%もの割合を占めています。
面積では北海道全体の1.3%しかない札幌に、北海道の3分の1以上の人が住んでいるのですから、
いかに北海道は札幌への一極集中であるかが分かります。
札幌市の面積は1121.12km2。政令指定都市の中では、浜松市、静岡市に次ぐ広さで、東京23区と比較するとかなり大きいです。
札幌には中央・北・東・白石(しろいし)・厚別(あつべつ)・豊平(とよひら)・清田(きよた)・南・西・手稲(ていね)の10区があり、
そのうち、定山渓温泉や豊平峡ダムなどを抱える南区が657.23km2と市の6割近くの面積を占めています。
市街地は市の中心部を流れる豊平川の扇状地に広がり、残りの3分の2は、山岳地帯の豊かな森林が広がっており、
その一部は支笏洞爺国立公園に指定されている場所もあります。
港を持たない内陸の都市で人口が100万を超えるのは、さいたま、京都と札幌だけです。
【春】 【夏】
長かった冬も終わり、GWを過ぎた頃からようやく春らしくなります。
大通公園の花壇には、チューリップの芽が顔を出し、
あちこちで優しい色をしたライラックの花々が咲き誇ります。
さくらや梅が咲くのも、北海道では5月になります。
これまで静かだった公園には噴水とトウキビワゴンが登場し、
市民や観光客が大勢訪れ、賑わいを取り戻していきます。
長い冬を経験したからこそ味わえる、春を迎える喜びがそこにあります。
梅雨のない北海道、札幌の爽やかな夏。
本州からはその爽やかな夏を求めて多くの人がやってきます。
6月は1年の中で一番降水量が少なくなり、
6月から8月にかけては、カラッとした青空が広がります。
ときどき30℃を超えて暑い日もありますが、熱帯夜とは無縁。
大通公園の花壇も様々な花々で彩られ、
芝生の上のごろんと横になって昼寝が心地よいです。
【秋】 【冬】
お盆を過ぎると、早くも秋の気配。朝晩がめっきり涼しくなり、
高い山では9月下旬から紅葉が始まります。
札幌市内でも10月にはイチョウやナナカマドが赤や黄色に色付き、
札幌の街全体が美しい色に染まっていきます。
冷え込みが厳しい北海道だからこそ、色付きもとてもきれい。
秋の澄んだ青空は、とても高く、自転車で走るのも爽快です。
この時期の季節の移り変わりはとても早く、あっという間に冬がきます。
平年では10月下旬には、札幌市内でも初雪が降ります。
その後は、翌年の4月中旬頃までの長く厳しい冬。
12月から2月にかけては、ほぼ毎日雪が降り、根雪になります。
雪が降るたびに街を除雪車が走り、ひたすら雪との格闘の日々。
しかし、その雪を生かした「さっぽろホワイトイルミネーション」や
「さっぽろ雪まつり」は、北国さっぽろを代表するお祭りとなっており、
国内外からたくさんの観光客がやってきて賑わいを見せます。
札幌の気候は世界的に見ると亜寒帯気候に属し、日本の中では日本海側気候に区分されています。
世界の都市と緯度を比較すると、ヨーロッパのモナコやアメリカのボストンなどがほぼ同じ緯度にありますが、
札幌はそれらの都市に比べて冬は気温が低く、はるかに大量の雪が降ります。
また日本国内の他の都市に比べても、1年を通じて気温が低いことが分かります。

季節の変化は非常に明瞭で、四季がハッキリと分かれているのが特徴です。
4月中旬頃からようやく雪が雨に変わり、5月のGW頃からは春が一気にやってきます。桜も梅も5月に咲くのは北海道だけです。
6月から7月にかけては、本州のような梅雨がなく、爽やかに晴れ渡る日が続き、1年で最も過ごしやすい気候となります。
8月には真夏日を記録する日も出てきますが、湿度が低く、本州のような肌にまとわり付くような暑さはありません。
お盆を過ぎると早くも秋の気配。10月末には初雪が降り、12月からは3月にかけては、地面が見えなくなる「根雪」となります。
冬は5m〜6mもの降雪量があり、これほどの雪の量は100万都市としては世界でも唯一だと言われています。



【身近な温泉】
北海道はもちろんのこと、札幌も温泉天国。
有名な定山渓温泉はもちろんのこと、
市内のいたるところに温泉が沸き、
いつでも気軽に温泉に入れます。
僕の週末は毎週が温泉三昧です。
そういうところがとても気に入っています。

また市内中心部にも温泉大浴場を完備している、
ホテルがたくさんあり、旅行客も温泉を楽しめます。

<市内の主な温泉>
定山渓温泉 豊平峡温泉 小金湯温泉
ホテル日航札幌 ホテルモントレ・エーデルホフ札幌
アートホテルズ札幌 ジャスマックプラザホテル
ガトーキングダム・サッポロ 極楽湯
森の湯(北広島) 北のたまゆら 苗穂駅前温泉「蔵の湯」



【公園が多い】
観光客にも有名な大通公園を始め、
札幌市内には数え切れないほどの公園があります。

その公園のひとつひとつが四季の変化にあふれ、
春夏秋冬、いつ訪れてもホッとできます。
街歩きに疲れたら大通公園の芝生の上で昼寝、
またデパ地下でお弁当を買い込んで、
公園で食べるものいいでしょう。

<主なオススメ公園>
大通公園 円山公園 中島公園 モエレ沼公園
真駒内公園 前田森林公園 知事公館
国営滝野すずらん丘陵公園



【空がきれい】
どこまでも高く、青く澄んだ青空。
僕の札幌への引越しは、この空にやられました(笑)

もっと田舎に行けば、さらにきれいなんでしょうけど、
札幌の空も十分すぎるほどきれいです。

流れゆく雲、真っ赤な夕焼け、遠くまで見通せる山々、
僕はベランダからいつもこの空を眺めています。
空気がきれいだということは、とっても素晴らしいことです。



【自転車天国】
札幌では自転車もとっても快適な移動手段です。
市内には長大な自転車道が支笏湖や北広島など
隣接する市まで20km以上にわたって延々と続いており、
気持ちのいい自転車旅ができます。

市内中心部は坂もなく、平坦なので、
レンタサイクルで街歩きをするのも楽しいですよ。

僕も雪のない季節は豊平川の河川敷を通勤しています。
近代的なビル群と背後にそびえる山々を見ながらの通勤は、
とても東京では考えられなかった生活です。

■えきチャリさっぽろ(6:00-24:00 1日500円)
中央区北5西1サイクルポート 紹介ページへリンク
レンタサイクル札幌(8:30-17:00 1日1,000円〜)
中央区北2条東2丁目1-34 けいほくビレッジ105



【美味しい食べ物】
味噌ラーメン、ジンギスカン、スープカレー、寿司・・・。
札幌は北海道の食材が集まり、美味しいものがたくさんです。

観光客の方々は札幌に来るとよくカニを食べることが多いですが、
もちろん、カニだけが札幌の美味しい食材ではありません。
北海道は日本全国で食料自給率が唯一100を超える都道府県。
まさに食の宝庫なのです。

お店で食べる料理ももちろん美味しいですが、
住んでいれば毎日外食というわけにもいかないもの。
しかし、札幌のスーパーには道内産の新鮮な魚介や野菜が並び、
家庭でも気軽に北の海の幸、山の幸をいただくことができます。



【洒落たお店】
東京で言ったら自由が丘や代官山みたいな。
そんな洒落た場所が札幌にもあります。
観光客はあまり来ない場所なので、とっても静かです。

札幌の街を見下ろすように続く、
円山・旭山・藻岩山の山ろく一帯。
特に地下鉄円山公園駅の周辺にはカフェやレストランが点在し、
カフェ好きな大人の女性を中心に人気があります。

ディナーはちょっと高くても、ランチならけっこうお手軽。
食材の産地が近いので、価格も東京よりずっと安いのです。
山々の緑と、眼下に広がる札幌の街並みを見ながら、
テラスで気持ちのいいランチタイム。
観光スポットじゃないけど、こういう時間を過ごすのもオススメです。



【心強い市民の足】
札幌には日本で4番目に開業した地下鉄が、3路線走っています。
一番古いのが、南北線。そして続いて東西線、東豊線。
朝は4〜5分おき、日中は6〜8分おきに走る、便利な市民の足です。

札幌の地下鉄で最も特徴的なのは、その足元。
なんと車輪ではなく、ゴムタイヤで走っているのです。
そのため、粘着性がよく、南北線の起動加速度は4.0km/h/sと
阪神電鉄のジェットカーに次いで日本で二番目。すごい加速です。

もう一つの特徴は車体幅が非常に広いこと。
約3mの車幅は、新幹線を除くと日本の鉄道車両ではNo.1です。
忘れ物防止のために、網棚がなく、車内はさらに広く感じます。

また、地上区間は全てシェルターで覆われているため、
たとえ雨や雪が激しくても、決して運休することがありません。
冬の間、6mを超える降雪がある豪雪の都市、さっぽろにとって、
この地下鉄は非常に心強い市民の足になっています。



【都会である】
2011年現在、人口192万人。全国5番目の大都市、札幌。
さすがに東京にはかないませんが、一通りのものは揃っています。

全国区の百貨店としては、大丸、三越、東急百貨店があり、
その他、パルコ、ロフト、東急ハンズなどがあります。
北海道にしかないですが、丸井今井も老舗のデパート。
4丁目プラザ、IKEUCHI、Pivotは札幌ならではのショッピングビルです。

札幌駅の中には、ステラプレイス・パセオ・エスタ・アピアという
ショッピングモールがあり、北海道最大級の商圏を作り出しています。
また2011年3月に開通した札幌駅前通地下歩行空間によって、
札幌駅と大通・すすきの地区が地下で直結し、
寒い雪国にあっても、快適に買い物を楽しめるようになっています。

狸小路というアーケード街も長さが1kmぐらいあって、楽しい場所です。
買い物や街歩きに疲れたら、ちょっと一休みできる公園や喫茶店も多く、
都会でありながら、ゆっくりと買い物が楽しめる街です。



【美味しい水道水】
札幌の水道水は、支笏洞爺国立公園の中からやってきます。
冬に大量に降った雪は、解けると地面に染み込み、地下水となり、
自然の恵みをたっぷりと受けて、札幌の各家庭に届けられます。
そのため、札幌の水道水は市販のミネラルウォーターと、
ほとんど引けをとらないほど、たくさんのミネラル分を含んでいます。

写真は札幌市民の水がめとなっている、南区の豊平峡ダムです。
自家用車の乗り入れも禁止されており、自然が守られています。
そのおかげで、水道の蛇口から出る水もガブガブ飲めるのです。

僕の家はマンションなので、一度貯水槽に入ってしまい、
その美味しさは半減してしまっているのかもしれませんが、
それでも東京の水道水と比べたらずっと美味しいです。



【手軽な日帰り鉄道旅】
JR北海道では「一日散歩きっぷ」というフリーきっぷを
青春18きっぷ1日分より安い、2,200円で発売しています。

このきっぷを使って、僕はたびたびローカル線の旅に出ています。
北海道では移動そのものが旅の醍醐味の一つ。
車窓に広がる海や牧場、花畑、手を振ってくれる子供たち・・・。
北海道の鉄道車窓はどれをとっても本当に素晴らしいです。

本数は札幌を離れれば離れるほど減っていき、
2時間や3時間に1本という場所も少なくないですが、
その長い待ち時間を利用して、温泉に入ったりする楽しみもあります^^

一日散歩きっぷで行ける主な観光地の駅としては、
富良野・美瑛・ニセコ・小樽・登別・洞爺・静内などなど。
末端部は写真の様似や、新得、夕張、新得、長万部、新十津川など。
ヘタをしたら、一日では散歩し切れない距離まで行けてしまいます。



【雪景色】
札幌の気候を大きく特徴付けているのが、年間5mを超える降雪量。
冬は毎日のように雪が空を舞い、札幌の街を白く染めていきます。

ずっと札幌に住んでいる人や、車を持っている人、
家が一戸建ての人などに言わせれば、雪はかなり邪魔者のよう。
とにかく雪かきが大変だそうです。本当にお疲れ様だと思います。

僕は雪かきしたくないくせに、北海道に来たへなちょこ野郎なので、
雪かきの必要ないマンションに住んでいます。けど、雪は大好き。
部屋の窓や、市内のカフェの窓から、降りしきる雪を見ていると、
なんだかとっても落ち着くのです。たとえそれが吹雪であっても。。。

100万都市で年間降雪量が5mを超える街は世界でも札幌市だけ。
除雪費に1日1億円というとんでもない金額が費やされるほどですが、
このたくさんの雪のおかげで、札幌の街は水不足になることもなく、
また雪まつりなどの冬のお祭りでたくさんの観光客を集めます。



【家賃が安い】
東京はもちろんのこと、他の政令指定都市と比較しても、
札幌の賃貸住宅の家賃は、かなりお安めとなっています。
僕も今の部屋は2部屋ある、少し広めのマンションに住んでいます。
それでも4万円台前半で、東京では信じられないぐらいの安さです。

札幌の賃貸契約での礼金制度は基本的になく、
敷金も多くのところは1ヶ月分でオーケーです。
東京で引越しをしようと思えば、家賃半年分が必要と言われますが、
札幌なら3ヶ月分ほどで引越しができますね。

賃貸物件が安く手に入るため、札幌の持ち家率は全国標準以下。
雪かきが必要ないマンション住まいが人気なのも一因のようです。



【通勤天国】
平均通勤時間 札幌は29分。(平成2年 国勢調査より)
東京 53分
横浜 42分
名古屋 38分
大阪 46分
福岡 35分

全国平均を大きく下回る通勤時間は、職住近接の表れ。
通勤で大きなエネルギーを使わずに済めば、
その後の仕事にも大きく影響してきます。
僕も当時の通勤時間はドアtoドアで20分ほどでしたが、
今ではとても考えられないほど通勤が楽でした。

雪が降らない期間は、自転車で通勤している人も多く、
快適な通勤環境が整っています。



【みんな大好き さっぽろ】
どんなに冬が厳しくても、夏が短くても、
みんな自分の住んでいる札幌という街が大好き。

札幌市民の95%以上が自分の街を好きだと言っています。
そんな市民の意識の高さが、
札幌の街を魅力的にしているのだと思います。

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