はじめての北陸旅行 2014.5.3-5.6


北陸新幹線の開業まであと1年を切り、東京から気軽に北陸に行けるようになるのも間もなく。
その一方で今の最速ルートである「ほくほく線」を経由するルートは、来年には完全に見放されてしまう。
越後湯沢で「とき」から「はくたか」に乗り換えて北陸に行ってみたい。それを実現するなら新幹線開業前の今しかない!
ということで、GW後半の4連休を利用して、北陸3県(富山・石川・福井)を旅してきました。


旅のスタートはいつも通り、JR駅としては自宅から一番近い北府中駅から。
朝6時ごろに駅に着き、6時11分発の武蔵野線に乗って旅がスタートしました。5時起きだったので、眠くて何度もまぶたが落ちてきました。
今回使用するきっぷは「北陸フリー乗車券」(写真だけ使用後でスミマセン・・・)。乗車券だけなので、新幹線や特急には別途特急券を購入しないといけないのですが、
乗車券だけでも大宮から富山まで片道6,370円、金沢までだと片道7,230円もするので、単純に往復するだけでもずいぶんお得な乗車券です。
その上、富山県・石川県のほとんど(+福井は少しだけ)のJR線が4日間も乗り放題で、GW期間中でも問題なく使えるっていうのが、とても助かりますね。
フリー乗車券の出発地は大宮〜川口・戸田公園なので、そのうち、北府中から最も近い武蔵浦和駅で、いったん下車し、ここから改めてフリー乗車券で入場します。
埼京線で大宮を目指します。埼京線にはこういう旅行の時しか乗りませんが、だいぶE233系に置き換わったなーという印象です。
205系の時と比べると、だいぶ乗り心地と車内の雰囲気がよくなったと思います。
並走する新幹線を見ながら、「自分もこれから新幹線乗れるんだなー」と思うと、嬉しい気持ちになりました。
7時前には大宮の新幹線ホームに上がりました。
まずは7時02分発のMAXたにがわ401号を先に通し、その後のMAXとき381号に乗車します。
MAXたにがわは、高崎駅でMAXときに抜かれるので、先に越後湯沢に到着するのはMAXとき381号となります。
MAXとき381号が入線してきました。すでに東北新幹線では見られなくなったE4系の2階建て車両です。
様々な新型車両がデビューする中、MAXの車両をこうして見ると、なんだかだいぶ時代を感じるというか、一昔前の新幹線だなーという印象です。
車内に乗り込むと、まだ自分の予約した席とその隣には誰も座っておらず、大宮から乗り込んだ家族連れのお父さんが自分の隣に座りました。
静かそうな人で良かった。。。こういう一人旅の場面では、隣に座る人もけっこう重要な要素だったりします。
2階の指定が取れたので、景色もとてもよく見えました。上越新幹線と並走する埼玉新都市交通・ニューシャトルも見えます。
E4系のMAXときは最高速度240km/hなので、そこまでスピード感はないですが、次の停車駅はもう越後湯沢なので心理的にはかなり速く感じます。
関越道の上を渡ります。道路の方はやはり下り方面が渋滞中。GWの場合、鉄道の方が何倍も速く目的地に行けるわけですが、
人数の多い家族連れの方々などは、人数分お金がかかる鉄道より、何人乗っても同じ値段の自動車で帰りたくなりますよね。
埼玉と群馬の県境を流れる神流川を渡って、群馬県へと入っていきます。天気がよくて山も見えました。
ビルが建て込んでくると高崎ですが、一瞬で通過していきます。高崎では先を走っていた、MAXたにがわ401号を抜きます。
高崎は停車する新幹線の方が圧倒的に多いので、通過すると、あー速い新幹線だなーと思いますね。
長野新幹線(北陸新幹線)と分かれ、新潟方面へとカーブしていきます。来年春には北陸へ向かう新幹線はすべて向こうを通ることになるので、
上越新幹線は本当に新潟県専用の新幹線となりますね。現状は上越新幹線の方が乗客が多いですが、今後は北陸新幹線側の方がメインになりそうです。
高崎を出ると間もなく長いトンネル区間に入り、深い山の中を突っ切るように走ります。
短い時間ですが、唯一明るい区間となる上毛高原駅付近では、遠くに雪をかぶった山も見えました。
冬は豪雪の日本海側と、カラカラの関東平野をくっきり分けるほどの険しい山並みが続きます。
大宮から48分で、越後湯沢駅に到着しました。冬ともなれば外は真っ白で景色が一変する駅ですが、ここまで1時間も掛かりません。新幹線の速さは恐るべしです。
北陸方面へ向かう人のうち、自由席争いの人たちが一斉に降りて、ダッシュでエスカレーターを駆け下りていきました。
ここからは上越線・ほくほく線を経由して、富山・金沢方面へと向かいます。
在来線ホームに停車中の「はくたか2号」金沢ゆきです。
在来線としては、日本最速の時速160km運転をする特急列車です。見た目からして速そう。
今回乗車する車両は、ほくほく線を経営している「北越急行」のものでした。「はくたか」にはJR西日本が持つ車両も充当されており、異なる会社同士が連結し合うこともあるようです。
いずれの組み合わせでも同じ性能・同じ所要時間で走ることができます。
こちらは自由席の列。しかもドアを空くのを待つ人たちではなく、車内に入ることすらできない人の列です。自由席はすでにデッキや座席の通路まで人でぎっしり。
まだ発車までは20分ほどあり、この後もさらに2本の新幹線の接続を受けてから発車するのですが、自由席はわずかに2両。
次の「はくたか4号」はこの列車の1時間後なので、1本見送るのも一苦労です。
GWの「はくたか」が「座れるか座れないか」ではなく「乗れるか乗れないか」の争いになるというのは噂では聞いてましたが、2本も早い新幹線で来てもこれほどとは・・・。
一方、自分の乗車する2号車指定席は、ギリギリで接続する新幹線で来る人が多いのか、まだガラガラでした。この落差はすごい・・・。
この後、自由席に乗り切れなかった人が指定席デッキや通路にも立ちはじめ、さらに最後に接続する新幹線が到着して、座席もすべて埋まり、
はくたか1号は乗車率200%の状態で、越後湯沢駅を出発しました。
越後湯沢は駅前にスキー場があるほどの豪雪地帯なので、今でもまだ残雪がありました。桜もまだほんの少しだけ花びらが残っており、
この辺りの春の訪れはだいぶ遅かったんだなぁと思わせる風景でした。「はくたか」は上越線内を比較的ゆっくりとした速度で走行し、
15分ほど走ると、六日町駅から第3セクターの「ほくほく線」へと入ります。
「ほくほく線」に入ると、「はくたか」は一気に速度を上げて、直線のトンネル区間を突き進みます。恐らく相当速いのですが、真っ暗なので速さは実感できず。
唯一、大きなカーブがあるのがほくほく線で唯一の有人駅である十日町駅。ここで90度カーブして駅を通過し、再度、90度カーブして元の進路に戻ります。
十日町駅を通過してまもなく日本最長の川、信濃川を渡ります。雪解け水をたっぷり含んだ川の水は、米どころ新潟の土地に恵みをもたらしていますね。
信濃川を渡ると、長い長いトンネル区間。いかにこの「ほくほく線」沿線の人口が少なく、北陸へ向かうための短縮ルートなのかを思い知らされます。
トンネル区間を抜けると、パッと景色が開け、広大な田んぼが広がる風景になりました。田んぼには水が入り、田植えをしている農家の方もいました。
越後湯沢から45分で最初の停車駅、直江津駅に到着です。越後湯沢から一駅なので自由席から下車した人が多かったようです。
越後湯沢から84.2kmもの距離を、わすか45分ということは平均113km/h。
在来線としてはものすごい速さですが、JRの区間はそれほど速くなく、ほくほく線も明るい区間は140km/hぐらいなので、いかにトンネルでスピードを出しているかが分かります。
直江津駅はJR東日本とJR西日本の境界駅。富山ゆきの413系普通列車の姿が見えました。
こんな車両がホームに停まっているのも一昔前まで当たり前の光景でしたが、JR東日本エリアの電化された区間で、このような車両が走っている場所はだいぶ少なくなりました。
直江津から先は北陸本線となり、日本海に沿って進みます。海側はD席となります。日本海は線路の北側にあるので、まぶしくないのも良いです。
「はくたか」の北陸本線内での最高速度はほくほく線より30km/h遅い、130km/hですが、明るい区間が多く、カーブもあるので体感的にはとても速く感じました。
糸魚川を通過して、新潟県のいよいよ西の果てまでやってきました。海沿いの線路のさらに海側に張り出すように高速と国道が出てくると、
親不知(おやしらず)駅となります。この辺りは海岸線ぎりぎりまで山が迫り、交通の難所であったことを感じさせます。
列車は富山県に入りました。泊駅からは少し内陸に入り、日本海を遠くに見つつ、田畑が広がる風景に変わってきました。
これまでの区間と比べると、のんびりした風景ながらも人々の生活の営みが見られ、家も多くなり、ほっとできる感じになってきました。
黒部川を渡って黒部市へ。この黒部川の他、富山駅までは多くの川を渡りながら、進んでいきます。
反対側の車窓にはうっすらと立山連峰の山並みが見えていましたが、通路にも人がぎっしり立っているので、チラ見することしかできませんでした。
黒部駅から先は、富山地方鉄道という私鉄とほぼ線路が並走するようになります。
富山県の人口はそこまで多くない(県全体でも約107万人)のに、こうしてJR線と長い距離を並走する別会社の路線があるというのは、不思議な感じです。
地方鉄道側は駅数がとても多く、木造のいかにも地方ローカル線らしい駅がいくつも車窓から見えました。
魚津から先は市街地が連続するようになり、ビルが立ち並んでくると最初の下車駅である富山駅に到着です。一気に半分ぐらいの人が降り、混雑はひと段落。
直江津から富山までは118kmもの距離がありますが、「はくたか」2号は途中駅に一切停車せず、直江津から富山までノンストップ68分で走ります。
それでも越後湯沢からは1時間55分掛かっています。ぎゅうぎゅうの車内で立っていた人たちにとっては限界でしょう。北陸新幹線の開通が望まれますね。
富山駅に降り立つのは実は2回目。15年前の平成11年にも高山本線の旅で訪れています。
その時は乗り換えの10分ほどしか外に出なかったので、ほとんど富山駅の風景は記憶にありませんでした。
今回は、15年前には訪れなかった北口側にホテルを取ったので、まずは北口の改札を出ることに。
市街地の中心は南口側となっているため、北口は静かな雰囲気ですが、駅前にライトレールの線路が見え、広々とした駅前広場になっていました。
富山ライトレールの始発駅、富山駅北。
元々、JR西日本の富山港線として営業していた線路を、そのまま利用している路面電車で、開業は平成18年とかなり新しいものです。
ホームの周囲はきれいな花で彩られ、心が和む風景が広がっていました。
今回、富山で宿泊したホテルはこちらの「オークスカナルパークホテル富山」。北口からすぐに見えてくる大きなホテルです。
まだ午前10時半でチェックインには早すぎるので、荷物だけ預けてすぐに出てきました。
ホテルを出ると、ライトレールの車両「ポートラム」が始発の富山駅北を走り出すところが見えたので、
すぐに走って次の電停である「インテック本社前」まで行き、無事に乗り込むことができました。最初のうちは道路と同じところを路面電車のように走っていますが、
次の「奥田中学校前」駅からは専用軌道になり、元・JRだったという路線らしい線路になります。
JR西日本時代より駅の数を増やし、本数は3倍にして開業した富山ライトレール。
15分間隔で運転することによって、利用客は増え、地方都市でも利便性が高ければ公共交通機関を利用するというモデルケースともなっています。
車両は思いっきり路面電車ですが、線路は思いっきりJRのままという感じなのが、ちょっと不思議な光景でもあります。
20分ほど走ると、だいぶ海岸線が近くなり、車窓にも船が見えるようになってきました。少し雲行きが怪しい。。。
「富山駅北」から22分、自分が乗車した「インテック本社前」からは20分ほどで終点の「岩瀬浜」駅に到着しました。
列車止めもあり、ここが終着駅であることを物語っています。手前の競輪場前でも多くの人が降りましたが、終点まで乗車した人も10人ほどいました。
列車は岩瀬浜駅で5分ほど停車し、再び乗客を乗せて富山駅に向かって戻っていきました。
せっかくなので、駅名にもなっている「岩瀬浜」まで行ってみよう!ということで、岩瀬浜海水浴場へ。歩いて5分も掛からない場所にありました。
ただ、風がものすごく強い!砂煙で目を開けているのも辛いほどだったので、波打ち際まで行くことなく早々に退散してきてしまいました。
向こうの親子連れも、同じくライトレールで岩瀬浜まで乗車して、ここに来たようですが、自分同様にあっという間に駅に戻ったようです。
岩瀬浜駅周辺をぶらぶら。マンションなどはなく、一戸建てが建ち並んでいます。こんな静かな場所に15分おきにポートラムが走っているのが不思議な感じ。
福島の実家辺りとそんなに変わらない風景ですが、決定的に違うのは中央の消雪パイプ。ここから水が噴き出して、冬は道路の雪を解かしてくれるんですね。
大きな通りだけでなく、このような比較的細い道にも消雪パイプが張り巡らされており、冬の雪に対する備えはさすが日本海側だなぁと感じました。
岩瀬浜駅から先は、土日祝日限定で富山ライトレールと高岡の万葉線を結んでいる、射水市コミュニティバスに乗って新湊・高岡方面へと向かいます。
1日4便だけの運行ですが、新湊大橋や新湊きっときと市場などの観光名所を経由して、万葉線の駅にも隣接した氷川丸まで走る便利なバスです。
一番前に乗りたくて、20分ぐらい待っていたのですが、バスが入ってきてドアが開いたら、急に老人に割り込まれて、2番目の列に・・・(汗)。
まぁ、旅先で揉めても仕方がないと思ったので、そのまま大人しく(けど歯がゆい思いは抱きつつ)、バスに乗り込むことにしました。

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