ラベンダー畑駅に、ノロッコ号が入ってきました。
思わず写真を撮りたくなってしまうほど、ゆっくり入ってきます(^^ゞ
もうすっかりお馴染みになった感のある「ノロッコ号」。
「ふらの←→びえい」という美しい花と丘の町を結ぶ素敵な列車です。
富良野方面からやってきた乗客のほとんどは、
ラベンダー畑駅で降りてしまうので、自由席でもガラガラ。
自由席はボックス型4人掛けシートの車両もありました。
至るところに木が使われ、照明もなかなか凝っていて、
乗っているだけで楽しくなってしまう、そんなトロッコ列車です。
先頭の機関車が引っ張る客車タイプの列車なので、
心地のいいジョイント音が聞こえてきます。列車旅の醍醐味です。
さっき降りた西中駅は通過。
これば僕が歩いた道の1本北側の道ですが、こちらもまっすぐでした。
ラベンダー畑駅を出ると、次の停車駅は上富良野。
ここで列車待ち合わせのため、3分間の停車。
この停車時間を無駄にしまいと、
すかさず車内放送が流れ、「ここ、上富良野では美味しいソフトクリームを
駅で販売しております。お時間わずかですので、お早めにお求め下さい」
と、思わず買ってしまいたくなるようなアナウンスが。
すかさず飛び出して買いに走る人たちが何人もいました(^^ゞ
上富良野を出ると、次の停車駅は目的地の「美馬牛」。
しばらくまっすぐだった線路は、ここから急にグネグネ曲がりだし、
北海道でも有数という急な坂道を登っていきます。
車窓の風景も次第に田んぼの風景から丘の風景へと変わり、
期待に胸が膨らんでしまいます。
遠くに見えている丘は「日の出公園ラベンダー畑」です。
ノロッコ号のいいところは窓を開けて走れること!
せっかく夏なんだもん、窓を全開にして風を感じながら走りたいですよね。
爽やかな青空の下、ノロッコ号は山道をぐんぐん力強く上がっていきます。
上富良野から12分、次の停車駅の美馬牛駅に到着。
ここはすでに美瑛町に入っており、
周囲を丘に囲まれたとても素敵な場所です。
ほとんどの観光客は次の美瑛まで行きますが、
徒歩やレンタサイクルで観光するなら、こちらの美馬牛の方が、
より身近に丘の風景を感じることができます。
ノロッコ号にももう少し乗っていたいところですが、
ここで下車しました。
美馬牛駅の駅舎と反対方向の細い砂利道を進んでいくと、
50mほどで、「ガイドの山小屋」さんに到着します。
駅のホームにも大きな看板が出ているので、迷うことなく行けました。
ここはペンション?と思いきや、宿泊施設ではなく、
レンタサイクルをやっていたり、アウトドアツアーを企画開催していたりと、
この美馬牛駅周辺の便利屋さんのような存在です。
僕はここで、ママチャリを借りました。1時間200円です。
その他にMTBや電動自転車もあり、美瑛ではママチャリはしんどいと
よく言われますが、僕はママチャリで十分です。
自転車を借りて、さっそく美馬牛駅の周辺をサイクリング開始です(^^)
まずは「四季彩の丘」を目指して、走ります。
途中、よく美瑛の写真に出てくる「美馬牛小学校」のすぐ脇を通りました。
小学校のわきを通り、ちょっと走ると、すぐに大パノラマ。
この一帯は「パノラマロード」と呼ばれていて、
美瑛では「パッチワークの路」とともに、2大観光ルートになっています。
美瑛駅からだと、かなり坂を登ってこなければいけないのですが、
美馬牛駅からなら、ママチャリでも十分登れる緩やかな坂を
駅から10分ほど走らせれば、こんな風景に出会えます(^^)
今日はお天気もよく、青空に黄色い花(キカラシ?)と、
遠くの十勝岳連峰がとても映えていました。
パノラマロードと呼ばれるだけあって、
尾根の一番高いところを道路が走っているので、
眺めがとても爽快です。
ときどき大型観光バスがぶ〜んと行きますが、
やはりこのスケールや空気感を味わうには、
自転車やバイクが最高に気持ちいいでしょう。
駅から15分ほどで最初の目的地「四季彩の丘」に到着です。
ここは観光地とよばれる観光地が少ない美瑛の丘の中で、
唯一と言ってもいいぐらい賑やかで設備も整った観光農園です。
四季彩の丘は、正面に十勝岳を望み、
丘一面に花畑の広がる、とても気持ちのいい場所です。
四季彩の丘の下の方までやってきました。
両側とも花畑なのですが、まだ時期が早く、一面の緑でした。
それでもこの美瑛ならではのうねる丘と、
整然と植えられた花々を見ていると、とっても心が安らぎます。
四季彩の丘は高台にあるので、パノラマロードを一望できます。
どこまでも続くパッチワークの丘、高く青い空、雪の残る山々・・・。
その眺めは日本離れした、ヨーロッパの田舎町のイメージです。
ヒマワリ畑です。
少しだけ咲いていましたが、さすがにまだ早かったようです。
これは何の花でしょうか。すみません、見忘れました(^^ゞ
けど、小さな花がたくさん咲いていて、とってもきれいでした。
ルピナスも少しだけ咲いていました。
札幌ではすでに満開なのですが、
やはり美瑛は少し気候が寒冷なのか、
ルピナスの花畑はまだほとんど咲いていませんでした。
コスモス畑です。
まだ植えられたばかりという感じでしたが、
コスモスの優しい花はとっても好きです。
短いですが、白樺の散策路もあります。
青空の下、こういう道を歩くと、心が洗われる様な気持ちになりますね。
四季彩の丘の景色を満喫して、ふたたび美馬牛駅まで戻ってきました。
今度は線路を渡って、反対側へと向かいます。
途中のなんでもない小麦畑。
そんななにげない風景が、とっても美しいのが美瑛の丘の素晴らしさです。
通称「花人街道」と呼ばれる国道237号線を渡り、
ちょっとだけ上富良野町へ戻ります。
今度は「ジェットコースターの路」へ。いったいどんな路なのか、
名前を聞いただけで、わくわくしてしまいます。
ジェットコースター大好きですから・・・(^^ゞ
というわけで、これがジェットコースターの路です。
2.5kmに渡って、一直線の路が上ったり下ったりという、
まさにその名の通りの爽快な路です。
車だとびゅ〜んと一気に行けるのでしょうが、
自転車だと、下りは楽だけど、上りがしんどそうだったので、
今回はここから風景だけ楽しんで、戻ることにしました。
(実際はここに来るだけでも、けっこう急な坂を上っています^^;)
そのまま国道237号線を美馬牛方面に戻るのも芸がないので、
ちょっとわき道にそれて、砂利道を走ってみました。
見渡す限り、畑・畑・畑です。
丘の上に広がる小麦畑。
自転車や徒歩じゃないと、なかなか見ることのできない穴場の風景が、
美瑛にはそこらじゅうに広がっています。
僕もまだまだ美瑛の丘は未知の世界がいっぱいです。
だから何度も来てしまうんですけどね(^^)
ひろーい丘。
青空もすごくきれいで、
普段のストレスも一気に吹き飛んでしまいます。
国道からわき道へ入ると、そこは農家の人たちの生活道路でもあります。
美瑛は農業の町ですから、トラクターや軽トラとも
よくすれ違います。
遠くに見えている丘は、「かんのファーム」です。
美馬牛駅からなら徒歩15分ほどで、最も近い花畑だと思います。
国道237号線沿いにあるので、とりあえず国道を目指して歩けば、
すぐにたどり着くことができます。
もう少し経てば、丘一面にラベンダー畑が広がり、
とても美しい風景になるはずです。
冬もこのあたりは一面真っ白な白銀の大地となって、きれいですよ(^^)
いろんな道を走ってみました。
観光客は誰ひとりいませんでした。
だいぶ坂を上ってきて、尾根づたいの道にやってきました。
両側に広がる丘のスケールは、実際に走ってみないと伝えきれませんが、
本当に感動することは確かです。
遠くに数本の木が立っていました。
美瑛では木にいろんな名前が付けられています。
「ケントメリーの木」「セブンスターの木」「哲学の木」など・・・。
丘の上にポツンと立つそれらの木は、
誰が最初にそこに植えたのだろうと思うほど、絵になる風景です。
「クリスマスツリーの木」
国道から1本入った場所に、ポツンと立ちすくんでいます。
なんか、こっちに語りかけてくるような、
そんな「感情」のようなものを感じてしまいます。
国道からも近く、有名な木なので、
周りには写真家のひとたちがたくさんいました。
美瑛の最後のお楽しみはティータイムです。
ふたたび線路を渡って、四季彩の丘方面に走ると、
丘の上のとっても見晴らしのよさそうなカフェを発見しました。
「かぜまち珈房」という素敵な名前のカフェです。
さっそく中へ。
ビックリしたのは、入口で靴を脱いで入ることです。
本当にどこかのおうちに遊びに来たみたいな感じで、
足元の木の感触がとても心地よいです(^^)
まだ観光シーズン前だからか、窓際の席が空いていました。
4人掛けの大きな席でしたが、
気さくな感じのオーナーが、「どうぞ、どうぞ」と案内してくれました(^^)
席に座ると、正面は美瑛の美しい丘。
窓が空いていて、涼しい風がひゅ〜んと吹き抜けます。
「寒くないですか?」と気遣っていただきましたが、
自転車で走っていて暑かったので、そのまま開けておいてもらいました。
店内は20人も入ると満席になってしまうほど、こじんまり。
だけど、きれいな置物が飾ってあったり、照明が柔らかかったり、
とてもくつろげるカフェです(^^) 
何しろ靴が脱げるので、足元がとても楽です。
アイスコーヒー400円。
ケーキセットなら100円引きで飲めましたが、
ここはケチってしまいました(^^ゞ
小さな器でしたが、なんか愛情がこもってる感じがして嬉しいのでした。
丘を眺めながら、静かなお店の中でのんびり。
とっても贅沢な時間を味わえました。
ゆっくりティータイムを過ごしたあとは、いよいよ帰り道。
ここからが乗り継ぎの嵐です。
まずは自転車を返して、美馬牛駅へ。
ちょうど反対側(旭川ゆき)の列車と行き違いをするらしく、
旭川行きの列車が先に入ってきました。
前の車両が、富良野線では初めてみるキハ54系でした。
僕が乗る富良野行きの列車が遠くからやってきました。
いよいよ帰るんだな〜と思うと、ちょっと寂しいです。
終点、富良野では3分で新得ゆきに乗り継ぎ。
さすがに発車直前ということで、ボックスはいっぱい。
立っている人もいましたが、僕は疲れMAXだったので、
ロングシートの空いているところに腰を下ろしました。
発車してすぐに寝てしまったみたいで、
気が付くと「かなやま湖」のあたりまで来ていました。
落合駅。狩勝峠越えの前の最後の駅です。
ここから次の新得駅まではなんと28kmも離れており、
1駅だけなのに、普通にきっぷを買うと540円もかかります(^^ゞ
車窓はここからが見どころです。
新狩勝トンネルで石勝線と合流すると、
あとは右に左に激しくカーブを描きながら、峠を下っていきます。
途中の車窓は雄大な北海道の大地が広がり、
牛が放牧されている姿もちらほら見ることができます。
狩勝峠の大カーブ。
この暴風柵?がなければ、もっとよく見えるのですが、
冬の気候が厳しいのでしょうね。
落合駅から24分かけて、峠を下り、新得駅に到着。
けっきょく車内は途中の幾寅駅で半分ぐらいの人が降りて、
新得に着く頃には、僕もボックス席占領して乗れるほどの乗車率でした。
北海道の鉄道って、やっぱりぜんぜん人乗ってないなぁ・・・って感じです。
旅をするには実に都合がいいのですが、
あまり空きすぎているのも廃線の不安が走ります。
新得駅は大きな駅でみどりの窓口や駅レンタカーもあります。
特急も全列車が停車し、新得そばという駅そばが有名な駅です。
今日は乗り継ぎが5分ほどしかないので、駅舎だけ見て
すぐさまホームに向かいました。
新得からは1日散歩きっぷの特例で、
特急「スーパーおおぞら10号」に乗車。
新夕張までなら、特急券なしで乗車できます。
なにせ、特急しか走ってないんですから仕方ないですよね(^^ゞ
新夕張では35分ほどの待ち合わせで追分行きに接続、
追分では5分ほどの待ち合わせで苫小牧行きに接続、
そして途中の沼ノ端駅でようやく札幌行きに接続。
最後は南千歳から快速エアポート211号で札幌に帰ってきました。
今回は初夏の富良野・美瑛を思い切り満喫できていい旅ができました(^^)

旅日記はこれで終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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