金曜の夜、急に思い立って行きたくなったえりも岬。
翌朝は目覚まし時計をかけずとも、5時前に目が覚めました。
朝の地下鉄の始発に乗って、札幌駅にやってきました。
地下鉄の始発が札幌駅に着くのは6時17分。
僕が乗りたい東室蘭行きの電車の発車時間は6時24分。
7分しか乗り継ぎ時間がないので、
急いで券売機で「一日散歩きっぷ」2,040円を買って、
ホームに駆け上がりました。発車2分前でしたが、無事ボックス席GET!
苫小牧までは、この赤い711系に乗ってのんびりと向かいます。
札幌駅を発車しても、一向ににスピードは上がらず、
電車の割にはかなりのんびりと走ります。
北広島と千歳で、2回、721系快速「エアポート」に抜かされます。
札幌駅を6時48分に出る快速「エアポート」に乗っても、
千歳で、この東室蘭行きに乗り換えることができます。
711系は最高時速110kmですが、721系は最高時速130km。
札幌近郊では、加速もスピードも劣る711系はどんどん姿を消しています。
千歳では9分間ほど停車時間があります。
その間に、函館行きの特急「スーパー北斗」にも抜かれます。
千歳には特急は停車しないので、ものすごい勢いで通過。
札幌から約1時間半。苫小牧に到着しました。
ここでようやくえりも岬へ向かう列車、日高本線へと乗り換えです。
先に千歳で抜かれた特急「スーパー北斗」が先着しているので、
ボックス席は残り少なく、ギリギリでなんとか海側の席を取れました^^
日高本線はディーゼルで1両のキハ40系。
天井に扇風機があり、昔ながらのボックス席が並ぶ懐かしい車両ですが、
そこはさすが北海道、窓だけはしっかり2重窓になっています。
北海道のローカル線では、これが標準スタイルです。
8時02分、苫小牧を定刻通りに発車しました。
かなり長い距離を千歳線に沿って走りますが、
途中から右にカーブを切って、単線の線路を走るようになります。
とにかく駅間が長く、最初の勇払駅まで13kmもあります。
苫小牧から鵡川までは原野の中にパルプ工場が立ち並ぶ風景が続き、
なんとも寂しい車窓が広がります。
鵡川駅はむかわ町の中心にあって、最初の主要駅。
駅の周りには久しぶりに家が立ち並び、
ここで列車も6分間停車。苫小牧ゆきと行き違いです。
鵡川駅を過ぎ、ししゃもで有名な鵡川を渡ると、
次第に太平洋が近付いてきます。
もう絶対使ってなさそうなバスの車両が捨てられていたり、
古ーい漁師小屋が建っていたりと、
北海道の冬の海らしい荒涼とした風景が広がります。
日高門別駅でもう1本、行き違い。
今度は向こうが待っていたみたいで、こちらはすぐに発車。
苫小牧ゆきは2両編成でしたが、乗っている人はわずか。
沿線の人口がいかに少ないかが実感できます。
富川、日高門別と、このあたりからは車窓に馬たちの姿が。
ここ日高地方はサラブレッドたちの日本一の生産地のため、
日高本線の車窓にも、たくさんの馬たちを見ることができます。
その向こうには穏やかな太平洋が広がり、
のんびりと草を食んでいる馬たちを見ていると優しい気持ちになります。
朝日がキラキラ。
今日は天気がとってもよく、海がとてもきれいです。
厚賀駅。ここから新冠町へと入ります。
この駅を出ると、列車は一気に海岸線に出て行きます。
これは後ろの窓から覗いた写真で、厚賀駅が遠ざかっていくところです。
そこからはしばらく後ろの窓に張り付いていました。
進行方向右手(後ろの窓なので写真では左ですね)には、
太平洋の穏やかな大海原が広がります。
日高本線で一番太平洋に近い駅、大狩部(おおかりべ)駅。
駅・・・というよりはバス停のような小さな小さなホーム。
ホームからは線路を挟んですぐに海という素晴らしいロケーションです。
自分の席に戻ってきました。
相変わらず、車窓には太平洋がひたすら寄り添います。
青い空に青い海。見ているだけで癒される大らかな風景です。
缶コーヒーが一層おいしく感じました。
静内駅に到着。ここで列車は24分間の長時間停車です。
静内駅は沿線ではダントツに乗降客が多い駅で、
唯一、「みどりの窓口」がある駅でもあります。
僕も列車の中で待っているのもなんなので、
外の空気を吸いに途中下車。
引き続き乗車する人も、ほとんどの人が改札の外に出たようです。
2007年の3月に、この静内駅がある静内町は、
隣の三石町と合併し、新ひだか町となりました。
27,000人の人口を抱える、日高地方では最大の都市で、
日高支庁が置かれている浦河町より発展しています。
駅舎も近年きれいに立て替えられ、駅そば屋が2軒も入っています。
静内を出ると、海沿いを走る区間は少なくなり、
牧場地帯と山の中を繰り返し走るようになります。
車窓には馬の姿がより多く見られるようになり、
当たり前のように馬たちの姿が車窓に広がっています。
雪もこのあたりからは少しずつ増えてきましたね。
荻伏(おぎふし)駅。以前の車掌車(緩急車)が使用されています。
日高本線にはこういう駅舎がいくつかあり、
待合室として地元の人たちに使用されています。
それにしても馬が多いなぁ〜。
右を見ても左を見ても馬、馬、馬。
こんな車窓が見られるのは日高本線ならではです。
日高支庁のある浦河駅を過ぎると、乗客もだいぶ減り、
さすがに車窓も果てまで来たような雰囲気が漂いはじめます。
馬たちの姿も少なくなってきました。
海が再びすぐ目の前まで迫ってきました。
天気のいい日はいいけど、荒れた日は怖いだろうなぁ。
日高幌別駅の周辺では、海岸線に沿って、
日高名産の昆布を干す風景を見ることができます。
この日はさすがに雪があったので、
そういう風景は見ることができませんでしたが、
砂浜一面に昆布が干される風景もまた日高本線の名物車窓です。
日高山脈が見えてきました。
2000m前後の山が連なり、太平洋側と日本海側の
大きな気候の分かれ目となる、北海道の屋根です。
西様似。あと一駅・・・。
そして様似駅に到着しました。
終着駅というのは、やはり旅情があっていいですねぇ。
様似駅は1本しかホームのない、とても小さな終着駅です。
苫小牧を出たのが8時02分、様似駅に到着したのが11時25分。
実に3時間23分の長旅でした。
数字で見るとすごい長時間ですが、
僕にとっては、日高本線の車窓は飽きることがないので、
結構あっという間の3時間半だったりします。
「歓迎 ようこそ、様似町へ」
現存する北海道の鉄道の終着駅の中では、
おそらく最も影の薄い駅かもしれませんが、
これからも日高本線の終着駅として、
いつまでも残っていて欲しいものですね。
様似駅のホームの向こうには終着駅ならではの列車止め。
その先には家があり、さらに背後には非常に険しい日高山脈の山並み。
ここから先の延伸がもうありえないことを示しています。
様似駅の駅舎。一応、駅員のいない無人駅の扱いですが、
駅の中には業務委託できっぷを販売しているオバチャンがいます。
様似の駅前から続く駅前通りです。人がだれーも歩いてない・・・。
北海道の地方都市では当たり前の風景ですが、
札幌からやってくると、やはり寂しさを感じてしまいます。
ですが、このあたりはさすが太平洋に面している町だけあって、
札幌と比べると、ほとんど雪がありません。
気温も高く、春のような心地よい陽気でした(^^)
様似駅のオバチャンからえりも岬ゆきのバス券を購入。
片道料金1,300円が、往復割引で1,800円になります。
11時32分発、岬小学校前ゆきがやってきました。
これがえりも岬まで行くバスです。
様似駅が始発ではなく、バスの営業所からやってくるので、
ギリギリにならないとやってきません。そしてすぐ発車。
初めて様似駅にやってきて、何も調べないまま岬へ行こうとすると、
表示されている行き先名も違うし、やや不安かもしれませんね。
ここからは、JRバスに揺られてさらにえりも岬まで1時間のバス旅です。
様似駅まで乗り通した、鉄道ファンのグループが何組がいましたが、
JRバスは別料金になるので、バスに乗ったのは僕だけでした。



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