旭川に向けて、列車が去っていきました。
列車の音がなくなると、外はしーんと静まり返り、
なんともいえない気分になりました。
雪で駅名板が半分埋まってしまっていますが、
ホームはきれいに除雪が行われています。
美馬牛駅は無人ですが、駅舎には雪かき用具があったので、
毎朝、雪かきをしにやってきてくれる人がいるんですね。
駅舎の中へ。
ストーブが真ん中にポツンとあって、とても暖かいです。
富良野方面の列車を待っているのか、
おばあちゃんがじーっとたたずんでいました。
駅の外に出てみました。いよいよ雪原ウォーキングです。
美馬牛駅もちょっと離れると本当に小さな駅舎ですね。
屋根には、いつも可愛らしいリースが付いています。
まずは「クリスマスツリーの木」を目指して、
駅前の小さな集落を抜けて、ひたすら歩きます。
集落を抜けると、さっそく美瑛の丘らしい、
真っ白な雪原に1本の木・・・という風景が見られました。
きれいに除雪された雪道の上を、ひたすら歩きます。
足を止めると、ビックリしてしまうぐらい無音で、
普段、いかに音に囲まれて生活しているかが実感できました。
雪が音を掻き消してくれているのです。
何者かの足跡。。。
自分も歩けるかな、と思って雪原に足を踏み入れたら、
スボスボー!っと一気に腰まで埋まってしまい、
誰かに見られたら非常に恥ずかしい状況になりました。
なんとか抜け出しましたが、下半身が雪まみれ・・・。
それでも気温が低かったので、雪はサラサラ。
手で振り払えば意外と簡単に落ちてしまいました。
この足跡は、よほど身体が軽い動物のものですね。
坂を登っていくと、だいぶ景色も開けてきました。
真っ白な丘の風景が、あちこちに広がっています。
近くに目を移せば、こんな風景も。
本当にどこを切り取っても絵になる雪景色です。
写真の撮り方さえ、もっと上手だったら、
きっとこの周辺だけでも素晴らしい写真が撮れる事でしょう。
そして、ついに目的地「クリスマスツリーの木」に到着しました。
美馬牛駅から約2km。30分ほどでたどりつくことができました。
広大な雪原の上に、ポツンとたたずむ1本の木は、
何かを語りかけてくるような、とても幻想的なものでした。
そして、本当にクリスマスツリーの形をしています。
観光のために植えられた木ではなく、
美瑛がこうして観光地になるずっと昔から、
ここに植えられていたのですから、本当にすごいなと思います。
クリスマスツリーの木に感動した後は、新栄の丘に向かいます。
同じ道を通るのはつまらないので、別な道へと進んでいきます。
こうして見ると、何も見ずに歩いているようですが、
実は手にはしっかりと地図を握り締めています^^;
これがなくなってしまうと、帰り道が分からなくなり凍死しかねません。。。
美瑛の丘は、最近でこそ交差点に案内板が出ていますが、
それでも道がぐねぐね曲がっていてとっても複雑なので、
地図がないと、なかなか効率よく回ることができません。
坂を登ったり下ったり。
本当に誰一人としてすれ違わない。
ふたたび足を止めて空を見上げてみたりする。
雪がゆっくりと落ちてきて、夢の世界のようでした。
と思った矢先、タクシーが通過していきました。
後ろに乗っているのは明らかに観光客とおぼしき男性。
タクシーの運ちゃんから、いろいろ説明を受けているようでした。
ようやく新栄の丘まで0.3kmの交差点までやってきました。
「・・・の丘」と付く場所は、見晴らしのよい高台にあるので、
ここまでだいぶ坂を登って来ました。
新栄の丘にあるレストハウス群が見えてきました。
先ほど僕を抜かしていったタクシーが停まっています。
夏には大型バスがじゃんじゃんやってきて、
レストハウスも大賑わいの場所ですが、
さすがにこの時期は全てが雪に覆われていて、完全閉鎖です。
新栄の丘からは周囲の丘が一望できます。
夏は一面に畑が広がり、それはそれでとってもきれいですが、
冬のこういう真っ白な風景も、北海道らしくて大好きです。
何やら看板があったので、雪を払ってみました。
なるほど、この方向には大雪山連峰と十勝岳連峰が見えるのですね。
今日は天気はよかったものの、
山の方は雪雲をかぶってしまっていて、何も見えませんでした。
これまで歩いてきた方角を振り返ってみました。
左の奥の方に、先ほど訪れた「クリスマスツリーの木」の頭が。
新栄の丘からは、再び坂を下ります。
次に向かうは「拓真館」です。ここから約5kmほど。
自転車だとあっという間の距離なのですが、
さすがに徒歩だと1つ1つ訪れるのに時間がかかります。
写真では分かりませんが、雪がしんしんと降っていました。
相変わらず、タクシーが通過したきり、誰とも会いません。
富良野線の踏み切りがありました。
夏にはたくさんの観光バスがこの踏み切りを渡るので、
自転車で通ったときは道が狭くてちょっと怖い思いをしましたが、
今日はシーンと静まり返っていて、列車も来る気配がありません。
レールの上に立ってみた。
ずーっと下って、その先で再び上っているのがよく分かります。
美馬牛小学校のとんがり屋根が遠くに見えました。
美瑛の丘の風景写真にかかせない建物のひとつです。
富良野線の車窓からもほんのちょっとだけ見えます。
久しぶりの交差点。
看板があるので、分かりやすいです。
拓真館まではあと3kmです。
上の交差点から拓真館までの3kmは、
少し谷になっている場所を通るので、
あまり眺望がよくありません。家もポツポツと建っていて、
数台の車が僕のことを抜かしていきました。
いぬ。思い切り吠えられました。
けど、近付くと逃げられちゃったり。。。
カラマツが一直線に並んでいます。
防雪林の役目だと思われますが、
青空と雪原によく映えて、とてもきれいでした。
最近、カメラのレンズの中にゴミが入っているらしくて、
空を撮影すると、ポツポツと斑点が出てしまうのが悲しい。。。
そしてようやく目的地の拓真館に到着。
先ほどの交差点から約40分で到着しました。
拓真館は、前田真三氏の写真ギャラリー。
美瑛の丘の写真をずっと昔から撮り続け、
季節ごとに姿を変える丘の風景の美しさを世に伝えた、
美瑛町にとって、とても偉大な存在の写真家です。
中は無料で入場でき、前田氏の撮影した素晴らしい作品の数々を
見ることができます。写真は額に入っており、購入もできます。
またカレンダーや絵はがきなども販売しています。
拓真館の脇に続く、白樺の道。
ここが僕はけっこう好きだったりします。
こんな感じで白樺並木がすごい密度で続いています。
夏にはこれに緑が加わって、さらに爽やかな風景となります。
この道は拓真館のそばをぐるりと5分ほどで1周でき、
ちょっとしたお散歩を楽しむことができるので、オススメです^^
かわいい雪だるまが作ってありました。
観光客が作ったのかな。
これまでほとんど人に会わなかったのに、
拓真館だけは人がいっぱいいました。
ちょうど台湾からの観光客を乗せた観光バスが来ていたようです。
拓真館の写真より、雪に触れることの方が嬉しいらしく、
外をずっとウロウロするだけで、中になかなか入りません^^;
さて、次は「四季彩の丘」へと歩きます。
ふたたび、3kmほど歩かなくてはなりません。
しかし徒歩以外に手段がありませんから、
頑張って歩くしかありません。
拓真館の周辺は、美瑛の丘の中でも、
特にきれいな風景が広がっています。
なだらかな丘。真っ白な雪。青い空。
拓真館までは比較的、低い場所を歩いてきたので、
ここから四季彩の丘までは再び高度を上げていきます。
写真は坂道を登ってきて振り返ったところ。
1つ目の坂道を登りきると、尾根づたいに道が延びていて、
両側に広大な雪原が広がるようになります。
徒歩で巡る美瑛の丘コース(勝手に考えた)の中でも、
雪原が一番きれいに見渡せるハイライト区間です。
ほんとだれーもいないなぁ。。。
ポツンと丘の上に立つ小屋。
賑やかな拓真館を少し離れれば、再び無音の世界です。
美瑛の丘はとてもきれいに除雪が行き届いていて、
僕のような徒歩の観光客でも本当に楽に歩くことが出来ます。
一方、雪で埋まっている道もあります。
今度は下り坂。カラマツに囲まれた感じのいい下り坂です。
青空が見えてきました。
太陽が出てくると、少し汗ばみます。
拓真館から2km地点。交差点に到着。
目指す「四季彩の丘」はまっすぐ。美瑛駅は左。
右に行くと、「哲学の木」があるのですが、あと2km。
自転車なら余裕の距離だったんだけど、
さすがにここまで歩いてくると、足がかなり疲れていました。
そのまままっすぐ「四季彩の丘」へと向かうことにしました。
最後の心臓破りの坂。
ものすごい急勾配で登って行かなければなりません。
さすがに息が上がり、背中に汗がにじんできます。ゼイゼイ・・・。
そして「四季彩の丘」に到着^^
いや〜、ようやく到着しました。もう足がガクガクです。
さっそく中へ入ってみることにしましょう。
四季彩の丘からは、美瑛の丘を一望できます。
僕が歩いてきた方向もこの方向で、かなり登ってきたのが分かります。
天気がもっと良ければ正面に十勝岳を望むこともできるのですが、
今日は残念ながら見ることはできませんでした。
春から秋にかけて、丘を埋め尽くすように咲く花々が
とってもきれいな四季彩の丘の花畑。
当然のごとく、冬は一面真っ白な雪原となっています。
スノーバギーが営業中でしたが、
誰も乗っている人はいませんでした。
というより、観光客自体がゼロ。。。夏の賑わいがウソのようです。
いぬ。今度は吠えない。
四季彩の丘のすぐ隣の家にいました。
四季彩の丘から、ようやく帰路に入ります。
ここから美馬牛駅まではもう2kmほど。
しかも「パノラマロード」と呼ばれる区間の道なので、
見晴らしがとってもよく、すがすがしい気分になれます。
またしてもいぬ。ペンション「ウィズユー」にいました。
どの犬も白い毛ばっかり。雪国らしいですね^^
美馬牛駅に近付いてきました。
ゴールはあと少し。
パノラマロードも終わり、再び住宅地へ入っていきます。
美馬牛小学校です。
小学校というよりは教会のようなたたずまいです。
最近はこの周辺にも観光客が大勢来るようになったため、
小学校の中を覗いたりする観光客もいるようで、
学校の入口には注意を促す看板が立てられていました。
美馬牛駅に到着しました。
拓真館までは7kmかぁ。あぁ〜、歩いた、歩いた。。。
出発は駅の正面からでしたが、到着は駅の裏側。
まだ列車の時間までは2時間ほどあるので、
腹も減ってきたことだし、ランチを食べることにしました。
今日のお昼は、「自家焙煎珈琲 Gosh(ゴーシュ)」という
美馬牛駅から徒歩3分の今まで行ったことのないお店に行きます。

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