7回目の北海道旅行にして、初めての真冬の北海道旅行。
夏の爽やかな陽気とは打って変わって、
東北人の僕にとっても、北海道の冬はあまりに厳しかった。

だけど北海道は冬もすばらしかった。
本当に本当に寒いところだけど、人々はそんなところでも
しっかりと生活を営んでいる。厳しい冬に耐えながら、
みんなが春の訪れをじっと待っている。

本当の北海道の姿はこの冬にあるのではないか。。。
そう思った3日間の北海道旅行だった。



1月6日 感動の冬・北海道!(札幌駅〜旭川駅〜美瑛駅〜美馬牛駅〜千歳駅〜北広島駅〜新札幌駅〜札幌駅) 



(朝6時半、まだ暗い札幌の駅前通り。猛烈に寒い・・・)
函館からミッドナイトに揺られること7時間、
ついに北海道の中心都市、札幌に到着です。
気温は−7℃、駅の外ではじっとしているだけで凍死しそうな寒さです・・・。

外の雪を踏みしめてみると、東北の雪とはまったく感触が違って、
ものすごい軽い雪でした。歩いていても、雪の中を歩いている感覚がない位、
ふわっふわっと雪が舞い上がります。

それにしてもこの厳冬の大地に、これだけのビルが立ち並んでいるのは
ある意味、異様な光景でありました。
夏は住んでみたいな〜と思った札幌も、冬はなんで住んでるんだろうと
疑問に思ってしまうほどの寒さです。

(7時過ぎ、ようやく工場の煙の向こうに朝日が昇る)
札幌の観光はとりあえず後回しにして、まずは美瑛へと向かいます。
岩見沢行きの普通列車に揺られて、さらに北へ北へと向かいます。

7時過ぎ、ようやく朝日が昇ってきました。
工場の煙が太陽の日に照らされて、とてもきれいでした。

ちょうど通勤時間帯のため、札幌へ向かう上りホームは
どの駅も人がいっぱいです。
いくら寒くたって、仕事には行かなくちゃいけませんもんね・・・。

(函館本線と根室本線の分岐駅、滝川。なんと−15℃!)
岩見沢で滝川行きの普通列車(写真右)に乗り、滝川に到着しました。
札幌から滝川まで約1時間半ほど掛かってます。

滝川のホームに降り立ったとたん、猛烈な寒さが身体を襲いました。
晴れている朝なので、放射冷却ってやつで気温はなんと−15℃!!
耳はちぎれそうな、手は凍りついてしまいそうな痛い寒さです。

ここからは特急「スーパーホワイトアロー」で旭川を目指します。
それにしても寒かった・・・。

(北海道第2の都市、旭川の玄関口、JR旭川駅)
滝川で特急「スーパーホワイトアロー」に乗り換えると、
あっという間に北海道第2の都市、旭川に到着です。

この旭川、実は日本最低気温の記録を持つ街で、
過去には−41℃を記録したこともある、恐るべき街です。

この日の旭川は割と穏やかで気温も−7℃とまあまあでした(笑)
とりあえず観光はあとにして、美瑛行きの普通列車に乗ることにしました。

(立派な石造りの美瑛駅駅舎)
旭川から列車に揺られること30分。美瑛駅に到着しました。
駅舎は最近立て直された、石造りの立派なものです。
駅の屋根からは、大きな氷柱が何本も垂れ下がっています。

もう寒さにもだいぶ慣れてきて、寒いのが当たり前になってしまいました(笑)

(再開発されて、きれいに整備された美瑛の中心街)
美瑛町の商店街は、再開発で新しく生まれ変わっていて、
とても整然とした通りになっています。

すべての店の壁には、その店の創業年を記した数字が書き込まれており、
その店がいつごろからこの地にあるのかがよく分かります。

(写真でははっきりとは見えませんが、三角屋根のちょうと真ん中あたりに
どの店も何か4桁の文字が書かれているのが見えますよね?)

(美瑛町役場(右)と四季の塔)
美瑛に着いてまず向かったところはここ、美瑛町役場です!
といっても、役場が目的地じゃなくて目的は役場の左の「四季の塔」です。

こんな冬にはさすがに役場や四季の塔は閑散としていましたが、
ちゃんとエレベーターがあって、気軽に上ることが出来ました。

(四季の塔から美瑛市街地を望む)
四季の塔の展望台に到着!

展望台からは美瑛の町並みが360度、見渡すことが出来ます。
街並みの向こうには、うねるように広がる北海道らしい大地が
広々と続いているのが見えました。

美瑛からは富良野行きのノロッコ号にのるために、
美瑛市街地の観光はこのへんで終わりです。

(美瑛駅で発車を待つ「ふらの・びえい雪原ノロッコ号」)
美瑛駅にふたたび戻ってきました。
ここからは富良野行きの「ふらの・びえい雪原ノロッコ号」に乗車します。

雪で覆われた美瑛駅ホームにはすでにノロッコ号が
旭川から到着して、発車を待っていました。

(ノロッコ号の車内の様子。観光客は少ない)
ノロッコ号の車内は向かい合わせで4人が座れるテーブル席と、
外を向いて2人が並んで座れる展望席のような座席の2種類があります。

今日は平日ということもあってか、車内はガラガラ・・・。
4人がけのテーブル席の方に座って、車窓を楽しむことにしました。

車内はレトロな雰囲気が漂っていて、照明や壁の色も
とても温かみのある感じになっています。

(車内のストーブ)

この列車にはストーブが1両当たり2個ついています。
ノロッコ号にはエアコンが付いていないため、ストーブは必須ですね。

ちなみに夏のノロッコ号にもエアコンはもちろんなく、
窓を全開にして走っています。夏はそれでいいけど、冬はさすがにね(^_^;)

(車内サービスで無料で振る舞われたじゃがバター)
美瑛駅を発車して5分もしないうちに、じゃがバターのサービスがありました。
空いているからでしょうか?それとも必ず出てくるのかな?

ストーブの上でちょっとだけ焦げ目を付けて、バターをたっぷり付けて♪
ポクポクとした食感がたまりません。こういうところで食べると
ますますおいしく感じますよね。
人が少なかったので、一人でほとんど食べてしましました(^_^;)

(川を渡ります)
ノロッコ号はその名の由来を、トロッコ列車+のろのろ走ることに持つように、
そのスピードはきわめての〜んびりゆ〜ったりです。
車窓を楽しむための列車なので、誰も急いでる人なんていないんです。

途中、雪原が広がるところや美馬牛小学校のとんがり屋根が
見えるところでは、列車は一旦止まるようなスピードまで減速してくれます。

写真は川を渡ったところです。半分は氷に覆われていて、
あまり流れていないように見えました。

(可愛らしい感じの美馬牛駅)
美瑛駅から一駅目の美馬牛駅に到着しました。
駅舎にはリースが飾ってあって、なかなか可愛らしい雰囲気です♪

一駅とはいえ、非常にゆっくり走るので美瑛から15分以上かかってます。
じゃがバターも無料で食えたし、満足満足♪っと(笑)

美馬牛駅では僕の他に、2人組の写真家っぽい人たちが下車しました。
ここは美瑛の丘の隠れた(?)名所として、
すばらしい風景を独り占めできる場所でもあるんです。

(感動の雪原。寒さなんて感じない)
駅から10分ほど歩くと、こんな風景に出会えました。

真っ青な空に真っ白な大地!寒さを忘れてしまう程の感動の風景です。

(立ち止まると風の音だけが聞こえる。静寂が僕を包んだ)
周囲には山はなく、どこまでも丘の風景だけが白く白く続いています。

聞こえるのは風の音と自分の足音だけ・・・。静寂に包まれるひとときです。

(大勢の人でにぎわう、旭川平和通買物公園)
美馬牛の感動をしばし味わったあとは、次第に帰路につき始めます。
まずは富良野線で再び旭川に戻ってきました。

道北の中心となる36万都市だけあって、駅前は活気に満ち溢れています。
実はこの駅前通り(正式には「平和通買物公園」)は日本初の
恒久的な歩行者天国として有名な通りで、
道の両側にはデパートやファーストフード店、ブランド品店、大手電気店など、
ありとあらゆる店が延々と立ち並んでいます。

ちなみに道路はすべて「氷」です(^_^;)
写真に写っている道も歩行者天国ではありますが、ある意味地獄です。
あまり寒くなさそうですが、これでも−5℃あります。

(滝川駅駅舎)
旭川からは函館本線の普通列車に乗り換え、札幌方面を目指します。
まずは滝川駅までやってきました。

今朝、恐るべき寒さを体験した場所です。
やっぱり寒いのでとりあえず駅舎だけ撮って、駅に戻りました。

ちょっと時間があったので、ここで立ち食いそばを食べました。
かけそばがなんと!200円を切る190円だったので、
「これは安い!」と思って食べたのですが、
いざ出されてみると、明らかに量が少ない・・・。半分くらいかな??(^_^;)
やっぱり、いい話には裏があるね・・・。

(プレハブになってしまった岩見沢駅仮駅舎)
滝川駅からは岩見沢行きの列車に乗りました。

終点の岩見沢駅はついこないだ火事で駅舎が全焼してしまい、
今は無残なプレハブ駅舎になってしまっていました。

ここからはいよいよ札幌行きの列車に乗り換えです。

(千歳駅。この辺から北が札幌の都市圏に入る)
札幌に到着後、そのまま今度は千歳空港行きの列車に乗り換えました。
特別意味はなかったんだけど、とりあえず暇だったので、千歳駅で下車。

駅舎の写真だけを撮って、ふたたび空港行きの列車に乗り込みました。

(羽田−新千歳の1日の利用者数は世界一だという)
終点の新千歳空港駅に到着しました。
北海道の玄関口だけあって、多くの人でにぎわっています。

飛行機で帰る気なんてないので、すぐに引き返すことにしました。

(札幌駅北口)
ようやく札幌駅に戻ってきました。
札幌の街は雪がしんしんと降っていましたが、相変わらずすごい人です。

まだ帰りの函館行きのミッドナイトまではだいぶ時間があるので、
札幌の一大観光スポット、大通り公園まで歩いて行ってみることにしました。


(激しく降る雪)
街を歩いていくと、急に猛烈な吹雪になってきてしまいました。
薄いウィンドブレーカーしか着ていない僕にとっては、かなり厳しい攻撃です・・・。

本当は札幌駅と大通り公園は地下道で結ばれているのに、
あえて外を歩こうと思った自分が馬鹿やろうでした(^_^;)

このへんで地下歩道に避難することにしました。

(にぎやかな狸小路。古い店も多い)
地下歩道を歩いていくうちに、大通り公園を通り過ぎてしまい、
「狸小路」という大きなアーケード街までやってきました。

ほとんどの店は閉店していましたが、
お土産屋だけは営業していました。僕は白い恋人だけ買えばいいやと思っていたので、
最後の最後、函館で買うまでは何も買わないことにしました(笑)

(さっぽろホワイトイルミネーションとテレビ塔)
狸小路からは地上を戻り、ついに大通公園にやってきました!
ちょうど「さっぽろホワイトイルミネーション」が開催中で、
公園のいたるところにライトアップされたオブジェが飾られていました。

園内ではハンドベルの優しい音楽が流れ、強く降りしきる雪の中
多くのカップルや家族連れが訪れていました。

(大雪の中、大勢の人々で賑わっていた)
上の写真よりちょっとテレビ塔の方に歩いていくと、
公園の木々がみんなライトアップされていました。

本当にきれいで、涙が出そうでした。
写真では雪が降っていないように見えるけど、
実際はかなりの雪で、よくこんなに人が来てるもんだと感心したくらいです。

(時計台。日本3大ガッカリスポットのひとつらしい)
最後はお決まりの札幌時計台。もう見ても何の感動もありません(笑)

だけど、今回の北海道旅行は本当に感動の連続でした。
これだけ寒いのを味わったのも生まれて初めてだったので、
とてもいい経験ができたし、夏に来たときは絶対住みたい!
と軽い気持ちで思った北海道も、いざ冬の厳しさを味わってみると、
本当に地元の方は大変な生活をしているんだなと痛感させられました。
だけど冬の北海道も最高でした!今度は網走に流氷を見に行くぞ!!

(完)




今回使用した、青春18切符です。
最初の3日間分が、今回の北海道旅行に使用した分ですね。



   

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