今回の旅の始まりは上野駅から。 12月29日の仕事納めのあと、飛行機で東京へとやってきて、 12月31日が来るのを待ちました。 そしていよいよ出発の日。北海道へ再び戻るだけとはいえ、 寝台列車で向かうとなると、やぱり気持ちが高ぶります。 この日はかなり早く上野駅に着いてしまいました。 僕たちが乗る北斗星81号は、 この哀愁漂う行き止まりホーム、13番線から発車です。 |
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この日の北斗星は僕たちの乗る臨時の81号も含めて3本体制。 まずは16時50分発の北斗星1号を見送ります。 北斗星1号が発車すると、いよいよ僕たちが乗車する北斗星81号が 電光掲示板に表示されました。 |
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13番線ホームにある、五ツ星広場。 夜行列車のお客のために作られた待合スペースです。 カシオペアや北斗星の走る場所の地図や列車の写真があり、 これに乗れるんだな〜と思うと、わくわくしてきます^^ |
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発車10分前になって、ようやく入線。 後ろ向きにゆっくりゆっくり入ってきました。 |
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堂々と掲げられた「札幌」ゆき。 東京の駅で見る「札幌」の文字は、とても旅情をそそります。 |
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さっそく車内に乗り込んでみました。 まずはロビーカーから。1人掛けの椅子がズラリと並び、 その後ろにはカーブを描いたゆったりとしたソファーが。 これまで見たことがないタイプのもので豪華な感じです。 今回乗車したのは、臨時列車の北斗星だから、 普段は使用しないものが使われているのでしょうか。 |
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続いて、自分たちの部屋へ。 2人用のB個室、デュエットです。 「デュエット」には1階と2階があり、今回は2階でした。 個室ですが、普通のハシゴ付きの開放B寝台と料金は一緒。 この個室の登場によって、北斗星の人気は一気に高まりました。 ちなみにこの北斗星81号には、このタイプの個室は7部屋しかなく、 実はかなり競争率が高い部屋でした。 |
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デュエットの2階は、1階に比べると天井が低く、 部屋の中に階段があります。 階段の方まで下らないと、立ち上がることができません(^^ゞ 左右のベッドの下は、それぞれ1階の別々の部屋になっており、 互い違いに、うまく空間を有効利用しています。 |
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2階席には、大きな荷物置場がありました。 これは1階にはない設備なので、嬉しい限り。 これで荷物の置場にも困らず、 通路部分にもゆったりと足を伸ばせます^^ |
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鏡や小物入れもちゃんと1人ずつ用意されていました。 1日を快適に過ごしてもらうための、 こういうちょっとした設備が嬉しいです。 |
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大宮を過ぎると、車掌さんが乗車券の拝見と同時に、 部屋の鍵を渡してくれます。 鍵は北斗星オリジナルのキーホルダーに付いたものでした。 このような金属鍵もあれば、カードキーの部屋もあります。 鍵を受け取ってから、シャワーカードを購入しに行きました。 シャワーは先着予約制なので、早め早めがおすすめ。 けっこう早めに行ったので、2人とも希望の時間をゲット(^^) 僕は夜に、友人は翌朝に浴びることになりました。 |
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大宮を出ると、宇都宮・郡山・福島・仙台・・・と、 主要な駅に停車していきます。 停車駅のアナウンスが入る以外は、車内はとっても静か。 ガタンゴトンという線路の音だけが心地よく聞こえてきます。 外はもう真っ暗で、ベッドの上に横になると、星空がきれいでした。 まさに北斗星の名にふさわしい眺めで感動しました。 これは車内販売で購入したアイスクリームです。 個室車両では、みんな部屋の中にいるため、 売り子のお姉さんも大声で呼びかけながら歩き回ります。 |
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いよいよ北斗星でのディナータイムの時間がやってきました。 この旅のメインイベントの一つと言ってもいいぐらい とっても楽しみにしていました^^ といっても、1人7,800円のフルコースはあまりに高すぎるので、 通常のディナータイムが終了した後の、「パブタイム」を利用します。 この「パブタイム」は予約が不要で、 誰でも気軽に食堂車の雰囲気を味わえて、人気があります。 今日は通常のディナータイムの予約が少なかったらしく、 普段は21時から始まるパブタイムが19時40分頃から始まりました。 |
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8時過ぎに行ったので、席が空くまで3組待ち。 その間はすぐ隣のロビーカーでゆっくりと待つことができます。 15分ぐらい待って、いよいよご案内。ゆったりとした座席に座ると、 いよいよ豪華年越しディナータイムの始まりです。 僕は「ビーフシチューセット」を注文しました。 まずはソフトドリンク(僕はグレープフルーツジュース)で乾杯。 コースターにはちゃんと「北斗星」のロゴが描かれています。 |
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友人はビールを飲んでご満悦の様子でした。 これから出てくる料理も楽しみですが、 こうして流れゆく夜の車窓もまた、今夜のメインディッシュです^^ |
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メインの料理が一通り運ばれてきました。 スープ・サラダ・ビーフシチュー・ライスが付いています。 ウェイトレスのお姉さんが1人しかいなくてとっても忙しそう。 けど、その忙しなさをお客に感じさせない手際のよさで、 次々に料理を運んできます。全然気が付かなかったのですが、 スープのスプーンの位置が左右逆にしてなっていたらしく、 「すみません、向きが違ってました!」と言って、直してくれました。 ビーフシチューは肉がとっても柔らかくて、とても美味しかったです。 |
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最後は食後のコーヒー。ここまでの料理が全て付いて2,500円です。 北海道へ向かう車内で、車窓を見ながらゆっくりと食事をいただく。 いつまでもこの時間が続いてくれたらいいのに・・・と思うほど、 ぜいたくで、心地よいひとときでした。 パブタイムは家族連れや一人旅の人たちもたくさん来ており、 みんなそれぞれに食堂車での贅沢な時間を楽しんでいるようでした。 |
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パブタイムが終了するのは23時。 列車は岩手県のあたりを走っています。 「仙台を出ると、次は明朝、函館です」というアナウンスを最後に、 車内は静まりかえり、いっそう夜汽車の雰囲気が漂ってきます。 ひたすら線路のジョイント音だけが聞こえ、眠りを誘います。 年越しまでは起きている予定でしたが、 結局このあと23時過ぎには寝てしまいました(^^ゞ |
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気が付くと、3時50分。4時間ぐらいは寝たでしょうか。 北斗星で僕が寝る時間はいつもこれぐらいなので、 このまま起きて夜が明ける車窓を眺めていくことにします^^ ひとまず浴衣から着替えて、ロビーカーへ向かってみました。 こんな真っ暗な時間でも必ず誰かしらいるもので、 この時もおじさんが一人酔っ払って床に寝てしまっていました(笑)。 その後、もう一人のおじさんが現れて、少しだけ話をしました。 お孫さんと一緒らしく、この日を心待ちにしていたのだそうです。 札幌市内を観光するらしいので、ちょっとだけ案内をしたりしました。 そうしているうちに、まもなく函館というところまで来ていました。 |
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函館から先は電化されていない区間を走るため、 電気機関車からディーゼル機関車へと交換する作業があり、 6分間ほど停車します。下車したお客さんもけっこういました。 臨時でない定期運行の北斗星に比べると、 函館での停車時間は半分。なので、連結作業も素早かったです。 |
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函館からは進行方向が変わります。 以前は青森駅でも方向転換があったのですが、 いつの間にか函館駅のみとなっています。 そのため、上野を出るときの車窓はこれまでと反対向き。 一瞬、北海道に入ってからの海が見えないんじゃないかと、 心配になってしまいましたが、そこは心配ご無用でした。 函館から先はしっかり部屋の窓から太平洋が見えるようになります。 |
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長万部あたりまで来て、ようやく外が明るくなってきました。 例年よりはかなり雪は少ないですが、一面真っ白に雪化粧し、 荒涼とした大地を走る車窓を見て、北海道へ来たことを実感します。 車内アナウンスも6時を過ぎると再開され、 6時半からは早くも朝食タイムが始まります。 |
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伊達紋別駅。函館を出て以来、久しぶりの「市」の駅です。 「北海道の湘南」と呼ばれるほど北海道では温暖な地区で、 このあたりまで来ると、だいぶ家も増えてきます。 |
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友人が起きたので、僕たちも朝食へと向かいました。 朝食会場はもちろん食堂車「グランシャリオ」。 夜のムードある雰囲気も素敵ですが、 こうして北海道の雄大な海を眺めながらの朝食もなかなかです。 |
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朝食はすんなり座席に座ることができました。ラッキー^^ ちょうど第一陣が食べ終えたタイミングだったようです。 昨日と同じウェイトレスのお姉さんが注文を聞きに来てくれます。 また今朝も一人で注文から食器の上げ下げまでやっていました。 けっこう揺れる車内で本当によく頑張ってるな〜と、 思わず感心してしまいます。この仕事が夢だったのでしょうね^^ 朝食は和定食と洋定食があり、今回は和定食をいただきました。 鮭の照り焼きにスクランブルエッグ、ウィンナー、サラダ、味噌汁、 ご飯、ヨーグルト、ジュース、コーヒーが全て付いて1,600円です。 |
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食事中に念願の初日の出を拝むことができました^^ 雪景色の中にオレンジ色の神々しい光がまぶしく輝いていました。 |
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食事を終えて、部屋に帰ってきました。 あとは目的地までの短い時間を惜しむように、 部屋でゴロゴロしながら過ごします。 登別に着く頃には、北斗星の旅も残り1時間足らずとなりました。 |
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登別−苫小牧の間、白老のあたりには牧場が広がっています。 このあたりまで来ると、雪もすっかりなくなってしまいました。 馬がゆったりと草を食む姿が見られるのは北海道らしいですが、 この時期にまったく雪がないのも変な感じです。 |
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苫小牧を出て、いよいよ次の停車駅は僕たちの下車する南千歳。 列車はちゃんと定刻どおり走っています。 車窓には北海道らしい広大な畑の風景が広がっています。 降りる支度を整え、部屋に忘れ物がないかどうか最後の確認。 車掌さんに鍵を返して、16時間を過ごした部屋を後にしました。 |
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南千歳に到着しました! 上野から16時間の寝台列車の旅はこれで終わりです。 乗ってみればいつものことながらあっという間でした。 3日ぶりとはいえ、鉄路で北海道の大地へと降り立った瞬間は、 やはり感動のものがあります。 ひんやりとした空気が肌をなでて、逆に心地よかったです^^ ここから先は道東方面へと向かうべく、 「スーパーおおぞら3号」へと乗り換えます。 |