浦臼駅からやってきた石狩当別ゆきの列車は、
ほどよく席がうまっていました。
ワンマンカーなので、バス同様、整理券を取って車内へと入ります。
通常は中央部のボックス席から埋まっていきそうな感じですが、
みんな2つ先の石狩月形で下車するためか、
乗車口からすぐのロングシート部分が満席になってました。
およそ3分ほどで、隣の豊ヶ岡駅に到着。
もちろん下車客は僕だけです。
「あ、誰か降りた・・・」的なみんなの視線が恥ずかしかったです^^;
この豊ヶ岡駅、鉄道ファンの間では「秘境駅」の一つに数えられており、
北海道の場合、列車の本数も極めて少ないことから、
夜は降車を咎められることもある駅として有名だそうです。
確かに駅前に通じる道は、この未舗装の道ひとつで、
家が一軒も見当たりません。なんでこんな場所に駅があるのかなぁ。
豊ヶ岡駅のホームは崖の上に立っています。
崖の下にはまだ雪が少しだけ残っていました。
駅のホームが少し崖の方に傾いている気がするのですが、
気のせいでしょうか。。。
駅前通り(?)を歩いてみましたが、
本当になーんにもありませんでした。
両側の駅は、先ほどの札比内駅と乗降客の多い石狩月形駅なので、
ものすごい秘境にあるわけではないはずなのに、
ここの周辺だけ異彩を放っている感じがします。
1日にいったい何人の人たちが乗り降りするのでしょうか。
小さな駅舎の中に入ってみました。
座布団が何枚か置かれており、座ってみようかなと思ったら、
ものすごいホコリ・・・。座るのにも多少勇気が要りそうです^^;
座布団の間には、駅ノートがありました。
北海道は、旅情の感じる駅には駅ノートがあることが多いです。
ここを訪れた人たちが感想を書き綴っています。
若者の意味不明の殴り書き(地元の高校生?)から、
老夫婦の丁寧な感想文まで、内容は人によって様々で、
列車の待ち時間の間に読んでいると、けっこう面白いです^^
滞在時間20分ほどで、次の列車がやってきました。
隣の石狩月形駅が列車交換駅になっているため、
先ほど下車した列車と、石狩月形駅で交換した列車がやってきます。
駅周辺を散策するにはちょうどいいダイヤが組まれていますね^^
豊ヶ岡駅から乗車した列車は、終点の新十津川行きです。
さすがに終点まで行く始発列車で、GW中ということもあり、
観光客と思われる人が意外とたくさん乗っており、
車内はこれまでに比べると一番混雑していました。
それでも、2人がけのボックス席がたまたま?空いていたので、
そこに座ることができました^^ しかも山側だったので、眺望もよしです。
これで新十津川までゆっくりと車窓を楽しむことができそうです。
先ほど下車した札比内(さっぴない)駅に続いて、
晩生内駅、札的(さってき)駅・・・と難読の駅が続きます。
"ばんせいない"ではありません。
晩生内駅の駅舎。
今は無人ですが、駅舎は先ほどの札比内駅より大きく、
駅員さんが切符を回収する改札口も残されていました。
こうして少しずつ駅の無人化が進んでいくのは寂しいですが、
列車の本数が1日7本で、乗降客もほとんどいないようでは、
仕方のないことなのでしょうか。
札的(さってき)駅にて。
駅ホームの下には、エゾエンゴサクがたくさん咲いていました^^
このあたりは湿地帯になっている場所も多く、
ミズバショウが咲いているところもたくさんありました。
浦臼駅に到着。浦臼町の中心となる駅で、
駅舎も新しくて割と立派にできています。
ここで久しぶりに2人の乗客が下車しました。
ここから先は1日3本しか鉄道が走らない、超閑散区間です。
浦臼から先は先述の通り、1日3本という本数の少なさ。
僕が乗っているこの列車が始発で、次は昼過ぎまでありません。
駅名もふたたび難しい名前が続きます。
このあたりの駅は1日の平均乗降客が2人以下ということで、
今日も誰ひとりとして降りる人はいませんでした。
右の写真は下徳富(しもとっぷ)駅。
行き違いの設備もあった形跡のある、大きな駅舎ですが、
今はもちろん無人で、駅周辺も閑散としていました。
田舎の路線でも、朝晩は高校生などで賑わうことが多いですが、
札沼線はその通学時間帯に1本も列車がないため、この有様です。
下徳富駅を過ぎると、いよいよ次は終点の新十津川です。
ピンネシリの山々もだいぶ大きく見えてきました。
2006年3月までは、この駅間に「中徳富(なかとっぷ)」という
駅が存在していたのですが、乗降客が年間数人という、
あまりの少なさから廃駅となりました。
まもなく新十津川・・・というところで観覧車が見えました。
あとで調べてみたら、1996年に経営破綻した「むしむしランド」の
観覧車だそうです。壊すお金も勿体無いので残してるのでしょうか。
それにしてもこのあたりの沿線は、駅も車窓も寂しい限りです。
ほどなくして、終点の新十津川駅に到着。
終着駅お決まりのポイント通過のガタンゴトンもなく、
1本だけのホームにあっけなく到着しました。
全ての乗客を降ろして、しばしホームで休憩。
この列車がそのまま札幌行きの始発列車となります。
行き先表示もいつの間にか「札幌」になっていました。
もう朝9時を過ぎているのに、これが始発ではあまりに遅すぎですね。
駅名板。
中徳富駅が廃止されたため、「しもとっぷ」のシールが貼られています。
ここまで来ても「学園都市線」を名乗っています。
地元の人は学園都市線って呼んでいるのかなぁ^^;
駅のホームから50mほどの場所で線路は終わっていました。
線路の先にはアパートが建設されており、
これから先、延びることがないんだな〜というのを痛感します。
せっかく駅舎があるので、
(しかも「歓迎 ようこそ新十津川へ」と書いてある。。。)
駅の中に入ってみることにしました。
駅の時刻表。1日3本。右側は到着時刻表です。
つまりこの駅では1日3回しか列車を見ることができないのです。
12時57分の次が、19時22分と6時半も間隔が開くのがすごいですね^^;
駅舎の外にでてみました。
無人駅でひっそりとしています。
まだ駅のホームにはキハ40系の姿が見えますが、
まもなく札幌に向かって発車していきました。
新十津川で降りたのは10人程いましたが、
札幌方面へ向かう乗客は1人でした。
札幌方面の列車を見届けてしまいましたので、
あと、次にこの駅に列車がやってくるのは3時間半後。
そんなに待てないので、函館本線の滝川駅へと向かいます。
新十津川駅から滝川駅まではわずか4kmほど。
この近さも札沼線の利用者の少なさに拍車をかけています。
バスも役場前から1時間に1本ぐらい出ていますが、
今日は運動も兼ねて歩くことにしました。
道中で2回、大きな川を渡ります。
まずは徳富川。振り返れば、山並みがきれいに見えました。
続いて石狩川。
北海道で1番、日本でも3番目に長い川です。
新十津川町はここでおわかれ。
さすが北海道で一番大きな石狩川。
橋の長さも半端なく長いです。。。向こうが見えない(汗)。
それでも頑張ってひたすら歩きました。
見上げると、渡り鳥が飛んでいました。
春になり、北へ北へと帰っていくのでしょうか。
石狩川の水かさも雪解けによってだいぶ増えていました。
さすがにうちの前の豊平川とは水量が格段に違います。
滝川市側の河川敷は市民ゴルフ場になっていました。
河川敷とは思えないほど広大なゴルフ場でした。
河川敷に生える木々たちは、まだ冬の装いですが、
芝生は青々としていて、ゴルフをするにも気持ちのいい季節になりました^^
ようやく滝川市に入りました。
人口4万5千人。中空知の中心都市として、比較的発展しています。
カントリーサインにグライダーが描かれていますが、
これはグライダー飛行場が石狩川の河川敷にあるところから来ています。
今日も空を飛んでいるグライダーが1機だけですが確認できました。
市街地に入っていくと、コンクリートの隙間にタンポポが咲いていました^^ 
春らしくて思わず見入ってしまいました。
札幌市内ではまだ今年は見たことがなかったので、
滝川の方がタンポポの開花が早かったのでしょうか。
滝川駅は函館本線の東側にしか改札口がなく、
石狩川を渡っても、そう簡単に駅にたどり着くことができません。
いったん線路の下をくぐって、線路の東側に出ます。
ちょうど特急ライラックが旭川に向けて走っていきました。
この列車も今年の10月で引退だと思うと、ちょっと寂しいですね。。
ようやく滝川の中心市街地に入ってきました。
新十津川の駅を出発してから、かれこれ1時間かかりました。
中心部は片屋根式のアーケード街になっていて、
たくさんの店が立ち並んでいます。ただ、人通りは・・・。
ミスドが唯一、賑やかさを放っているような感じでした。
というわけで、その賑やかさに吸い寄せられるようにミスドへ・・・^^;
朝セット。11時までだったので、ギリギリで間に合いました。
ドーナツ&カフェオレで300円です。
カフェオレはおかわり自由なのが嬉しいですね^^
列車の時間まで1時間ほどあったので、
ここでまったりとした時間を過ごしました。
アーケード街を歩ききると滝川駅に到着です。
2階建てで北海道の中では比較的立派な駅舎。
駅の中には立ち食いそば屋や、ツインクルプラザも入っています。
改札も自動改札機が設置されています。
まだ列車の時刻までは20分ほどありましたが、
とりあえずホームに行ってみることにしました。
ちょうど札幌方面の「スーパーホワイトアロー」が入線。
車内はいつもながらけっこうな乗車率で多くの席は埋まっています。
この列車なら、札幌までの83.5kmという距離を、
わずか49分で走破していまいます。
札沼線はそこを2時間半もかかってしまう上に、1日3本ですから、
必然的にJR利用なら滝川経由になってしまいますよね。
滝川駅の時刻表です。
左から「札幌方面」・「旭川方面」・「富良野方面」となっています。
札幌方面と旭川方面には、特急が1時間に2本以上走り、
交通の便としては北海道ではかなり恵まれている方に入ります。
普通列車も滝川から札幌方面へは、1時間に1本ぐらい出ていますが、
ここから旭川方面への普通列車は一気に本数が減ります。
以前は帯広や釧路へと直通の特急列車が走っていた富良野方面は
石勝線の開通により、一気にローカル線へと格下げになってしまい、
本数も1日10本ほどしかありません。
僕が乗る列車は711系普通列車の岩見沢行きです。
赤い電車を見ると、北海道なのに京急を思い出してします^^;
特急はあんなに混雑しているのに、普通列車はガラガラ〜。
3両編成なのに、一番後ろの車両なんて誰も乗っていません。
好きな座席に座り放題です^^
711系は以前は急行列車として活躍していた車両なので、
トイレの向かい側に洗面所が付いています。
普通列車にこういうのが付いてるのは珍しいですよね。
列車は滝川駅を11時45分に発車。
足を思い切り伸ばしてローカル線らしい雰囲気を楽しみました^^
北海道の普通列車はほんと空いてていいですね。
本州ではこうして足を伸ばして座れる列車も、
だいぶ少なくなった気がします。
南へ向かって一駅、一駅、停車していきます。
岩見沢までは約45分ほどです。
キハ40系から電車の711系に乗り換えたので、
ぜんぜんスピード感が違います。電車はサーッと滑るように走りますね^^
滝川から乗車した人たちは、砂川や奈井江、この茶志内など、
発車して数駅の間にほとんどの人が下車していきました。
光珠内駅。駅名が相変わらず北海道らしいです。
ホームの向こう側には牧場のように広い緑が広がっていました。
後ろの雪をかぶった山々と、春色の畑がとてもきれいでした^^
こういう駅では思わず途中下車してみたくなりますね。
岩見沢に到着しました。学生がいっぱい下車しました。
僕はここで、札幌ゆきに乗り換えます。
ほとんどの人は改札を抜けて、岩見沢の街へと散っていき、
札幌方面まで普通列車で行く人はあまりいないようです。
実際、札幌までの普通列車の運賃は往復1,640円かかりますが、
往復に特急が使用できる"Sきっぷ"が1,760円で販売されているので、
岩見沢から札幌までは特急利用者の方が多いぐらいです。
岩見沢からは、札幌近郊でもお馴染みの721系に乗ります。
区間快速の小樽行きです。
途中の江別〜札幌〜手稲間を快速運転します。
江別を出ると、野幌・大麻・札幌・琴似・手稲と停車します。
721系の座席は転換クロスシート。
座席をバタンと倒して進行方向に向けたり、
4人組ならボックス式にすることもできます。
北海道の列車にもいろいろな座席タイプがありますが、
普通列車なら、この車両のような座席が一番好きです^^
しかも前方がよく見えるように、窓際後方(写真の場合、左)の
席に座らないと、どうも外がよく見えなくて落ち着きません・・・(笑)。
区間快速に揺られ、岩見沢から38分で札幌に到着しました。
遠いところからやってくると、やっぱり札幌は大都会ですね。
この最後に国道5号線をまたぐところが見せ場です^^
札幌に到着した時間は13時18分。まだ時間は十分あります。
今回はだいぶ早く札幌に戻ってくることができたので、
このあと、千歳アウトレットモール"Rera"に行ったり、
上野幌の森の湯に行ったりして、1日散歩きっぷを最大限利用しました。
今回はこれまでずっと乗る機会がなかった札沼線に初めて乗れて、
その沿線ののんびりさを満喫できました。
今度は季節を変えて、新緑の頃、大雪の頃などに訪れてみたいですね^^
旅日記は以上で終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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