8月3日。天気は抜けるような青空。

まだ夜も明けぬ午前3時に府中の街を出発した車は、

午前6時半には、すでに長野県の白馬村八方尾根に到着しようとしていた。

車窓には、JRの大糸線の線路や北アルプスのまだ雪が残る険しい山々、

そしてその山並みをまるで鏡のように映した青木湖など、

信州らしいとても清々しい風景が広がっていた。


車の車窓からみた八方尾根スキー場

午前7時ちょっと前に、八方尾根ゴンドラ乗り場に到着。

この時点で気温が18℃ぐらいしかなくて、熱帯夜の東京から来るとちょっと寒いぐらい。

かなり時間が早かったので、余裕じゃん♪と思ったが、甘かった。

リフト券売り場にはすでに長蛇の列・・・。そして乗り場にも長い列ができていた。

とりあえず二手に分かれて、リフト券売り場とゴンドラ乗り場に並ぶことに。

それが、なんともリフト券売り場の方が進まず、乗り場の方に並んだ父親だけが、

どんどん列の前のほうに・・・(笑)。結局、乗車券を購入したころには、

父の姿はゴンドラ乗り場のすぐそこ。いわゆる駆け込み乗車でした(笑)。

ゴンドラは6人乗りで、3人ずつ、背中を向け合って座るタイプのやつだったので、

僕たちは、眼下の風景が見渡せる、ゴンドラの谷側に座ることにした。

ところがどっこい、眼下の白馬の街を見渡す景色ももちろんいいけど、

山側は北アルプスの山並みに向かって進んでいく迫力満点の眺め。

山側に座ったオバちゃん3人組が「山側に座れて良かったわねぇ〜」と言っていた。

「おい、嫌味かよ・・・ (ーー;)。」

とにもかくにも、ゴンドラは山頂駅に到着。ますます険しい山並みが近くなりました。


ゴンドラ山頂駅に到着。さらにアルペンリフトに乗り換えです。

ゴンドラを降りると、すぐさま「アルペンクワッドリフト」に乗り換えです。

リフトは4人乗りなので、今度は家族3人だけで乗ることが出来た。

ゴンドラと違って、山を吹き抜ける気持ちいい風をいっぱいに浴びながら、

リフトはどんどん上がっていく。足元には高山植物もちらほら咲いていて、

これからもっと上に上がっていくとどんな風景が待ってるんだろうと、

否が応でも期待が膨らんでしまう。天気もよくて、気分はとっても爽快♪爽快♪

「アルペンリフト」を降りると、そこは高山植物が咲く、湿地帯のようになっていて、

小さな木道も整備されていた。ここからは「グラードクワッドリフト」に乗り換えです。


「アルペンクワッドリフト」と「グラードクワッドリフト」の間にある湿地帯。
後ろには北アルプスも見えます。

「グラードクワッドリフト」も4人乗りです。また家族3人だけで乗れるな〜と思ってたら、

おじさんが一人、一緒に付いてきた(笑)。いろいろ独り言を言ってくるので、

ついつい反応してしまう(笑)。しかもビックリしたことに、府中市から来たという(爆)。

まさか!?と思ったけど、広島県の府中市だった(笑)。

おじさんの話を聞いているうちにリフトもまもなく頂上に近づいてきた。

前方に広々とした八方尾根の景色が広がり、足元は高山植物の花畑になっていた。


まもなく「グラードクワッドリフト」の終点。景色が開けてくる。

リフトを降りると、そこからは「八方尾根自然研究路」というトレッキングコースを、

いよいよ徒歩で登っていくことになる。

みんな割と本格的な登山の格好で来ているのに、

僕はノースリーブに短パン、しかも普通のアディダスのスニーカーという、

まるで山をバカにしたような格好・・・(笑)。ちゃんと登れるのだろうか・・・。

コースは最初から足元に大きな石がごろごろと転がる、とっても荒れた道。

普通の坂道でも疲れるのに、石で足が持っていかれるので余計に疲れる。

それでもなんとか登っていく気力を沸かせてくれたのが、

なんといってもその山の素晴らしすぎる景色と、真っ青な青空だった。


こんな所を登っていきます。かなりキツイです・・・。けど、景色は最高!

しばらく登っていくと、「第2ケルン」という景色が開けた場所に着いた。

さすがに疲れたので、ここでいったん休憩・・・。

ここからは、白馬三山を初めとする、北アルプスの山々が目の前に広がり、

日本じゃない場所に来てしまったような不思議な感覚になった。

またここで、さらに先の登山道の道筋の視界も一気に開け、

まだまだどこまでも続いているような登山道にちょっとウンザリ・・・。


第2ケルンからの眺め。まさに絶景とはこのことだ。

第2ケルンからは、一気に目的地の「八方池」まで登る。

ここまでくると、登山が趣味の父と、それ以外の2人で大きな差が・・・(笑)。

軽快に登る父に比べて、僕は石で足を滑らせて何度も転びそうになったり、

母は一歩、一歩「よっこいしょ、よっこいしょ」と掛け声が入るようになる(笑)。

それでもめげずに登る。登る。ひたすら登る。

おかげで90分のコースをたった45分で登りきって、ついに「八方池」に到着!

「八方池」は大きさこそ、思ったより小さかったけど、

その水面に、北アルプスの雄大な姿をまるで鏡のように美しく映していて、

とても神秘的だった。池の周囲は、高山植物が咲き乱れていて、

まさに気分は「アルプスの少女、ハイジ」の世界♪

ここで、僕たちはコンビニで買ってきたおにぎりを1個ずつ食べることにした。

値段こそ安いけど、とっても贅沢な朝食だ。


八方池と白馬連峰。水面に映る山々の風景はとても神秘的でした

  
花畑と白馬連峰。思わず「ハイジ」を想像してしまう。

しばらく八方池の神秘的な姿を眺めていると、次第に霧がかかってきたので、

そろそろ下山することにした。下山するにつれて、一気に霧が濃くなり、

さっきまで見えていた白馬連峰の姿は完全に見えなくなってしまった。

これから登ってくる人たちも大勢いるのに、ちょっとかわいそう・・・。

と思うと同時に、早い時間に登っておいて本当によかった!と思った。

リフトとゴンドラを乗りついで下まで降りると、朝とは打って変わってもう暑い。。。

車の中も熱気でむんむん状態・・・。しばらく車の中をエアコンで冷やしながら、

次の目的地を考えた。ちょうど、お昼だったので、

僕が戸隠でそばを食べよう!と提案。ちょっと遠いけど、戸隠村に行くことになった。

それがいざ向かってみると、その道のあまりの急カーブの多さにウンザリ。

山道をものすごいカーブを繰り返しながら登っていくうちに、

みんな気分が悪くなってきてしまった・・・(汗)。

というわけで、途中の鬼無里村というところで、それ以上進むのを断念し、

近くにあった道の駅のようなところで、そばを食べることにした。

味は、まあまあだったかな。ちょっとそばの量が少なかったけど、まあ満足。

そばを食べた後は、そのまま山を下り、長野の善光寺に行きました。

ここは、僕は初めてなんだけど、父と母は来たことがあるということで、

父は運転疲れのため駐車場で車内待機(笑)。母と2人で善光寺参りです。

善光寺は、「とっても暑い」のが一番の印象(笑)。

これまでずっと涼しいところにいたので、一気に暑いところにきて、

なんだかのんびり観光しようという気にはなれなかった。

とりあえず「善光寺ってこんなとこ」ということだけ頭に叩き込んで、

お参りだけして、父の待つ駐車場に戻りました。滞在時間、20分ぐらい??(笑)


善光寺。とにかく暑かったです・・・。(そればっか)


善光寺へと続く参道。みやげ物屋さんがたくさん並んでます。

善光寺参りを終え、時間も夕方になったということで、

いよいよ今日のお宿、戸倉上山田温泉へと向かうことにしました。

車を走らせること約1時間。千曲川に沿って旅館が立ち並ぶ、

温泉街に到着。今日、宿泊予定の「ホテル亀屋本店」もすぐ見つかった。

駐車場に車をとめて、さっそくチェックイン!

1泊8000円だけあって、通された部屋は3階にも関わらず、

1階から階段を登り、2階の廊下を迷路のように歩いて、

さらに階段を登った先にある、とても遠い部屋だった(笑)。

そのため、部屋食と聞いていたのに、あまりに部屋が遠いため、

食事は別室でしてくださいとのこと。う〜ん・・・、この際、文句は言えないけどね。

部屋そのものは8人部屋で、この旅館でなんと最大の部屋(爆)。

12畳の部屋の他に、4畳の部屋があり、踏込、バス、トイレまである豪華版。

トイレもウォシュレット付で、とても贅沢な造りになっていた。けど、なぜ我が家が?(笑)


お部屋の写真です。広々としていて3人ではもったいないです。

部屋に案内されて、ホッと一息。

前日の夜に福島の実家を出て、府中の僕のマンションで3時間だけ仮眠して、

朝の3時から、宿に到着する夕方4時ごろまで、延々と一人で運転をしていた父は、

相当グッタリしている感じだった。お疲れさま。運転できなくてごめんね(笑)。

まだ夕食まで時間があったので、さっそく大浴場&露天風呂に行ってみることにした。

ガラガラだと思ってたら、10人ぐらい入ってた。

入口のドアを開けると、硫黄の匂いがして、「あぁ、温泉だぁ」って感じ。

お湯がじゃぶじゃぶと湯船から溢れていて、湯量が豊富なのが分かる。

お湯の色は透明で、アトピーの僕にも優しい感じのいいお湯だった。

露天風呂は狭くて景色も何も見えなかったけど、

まだ新しくて、何よりお湯がいいので、けっこう長く浸かっていた。

今日は貸切露天風呂も夜9時から予約してあるので楽しみ♪楽しみ♪

お風呂から上がって、部屋で涼んでいると、ちょうど夕食の時間になったので、

夕食用に指定された部屋に。夕食は、旅館にありがちな会席料理ではなく、

家庭的な食べやすい料理が並び、好き嫌いの多い我が家にとっては、

とってもありがたい限りだった。最近、食欲がなかった僕も、

ご飯を3杯も食べてることができて、大満足。

我が家にはやっぱり豪華料理より、庶民料理やね(笑)。

夕食のあとは、待ちに待った、貸切露天風呂!

フロントで鍵を借りて、「六角檜風呂」と書かれたのれんをくぐり、鍵をあけると・・・


いきなりお風呂があるのかと思いきや、部屋が現れた!
しかもテレビにトイレ付き!奥の方に露天風呂が見えます。



貸切六角檜風呂です。まだ新しくてとってもきれいでした。

ビックリしました。ここまで豪華な貸切露天風呂だとは思わず、

3人とも、ちょっとはしゃぎ気味(笑)。10年ぶりぐらいに3人でお風呂に入りました。

きれいなお風呂で、ゆっくり温まった後は、エアコンの効いた隣の部屋でのんびり。

このまま、この部屋に泊まれたらいいのになぁーと思った。

8000円じゃ絶対無理だけどね。。。45分間の優雅な時間はあっという間でした。

フロントに鍵を返して、部屋に戻るとあとは寝るだけ。

超早起きだっただけあって、3人ともあっという間に爆睡してしまいました。

おやすみなさい・・・。


     
              2日目へ進みます
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