青春18きっぷで行く秋田、新潟年越し旅行 2012.12.31-2013.1.2

その3(白河〜白石)


郡山ゆきの電車は田園風景の中を淡々と進んでいき、安積永盛の手前で水郡線の線路が合流してくる。
自分は福島県出身ということで懐かしく車窓を楽しんでいるが、正直この辺りの車窓は何も見どころがないので、
北を目指す人たちにとっては、けっこう長く感じる区間かもしれない。
新幹線の線路が迫り、郡山駅に到着。車内は郡山へと遊びに行く地元の若者で賑わっていた。
ローカル路線はこのような地元の学生の占める割合がとても大きいので、学生で賑わうのは良いことだと思う。
郡山からは10時09分発の福島ゆきに乗り換える。
前は黒磯から福島や仙台へ通しで運転される列車も多かったが、最近は郡山で乗換えのパターンが多い。
4両編成のうち、前方2両がオールロングシートの701系、後方2両がボックスシートがあるE721系だった。
もちろん後方のE721系に乗車した。これで福島までも快適に移動ができそうだ。
郡山を発車すると、13分で故郷の本宮へ着く。が、もちろん今回は降りずにそのまま先へ進む。
ここを素通りするのはいつぶりだろう、というぐらい不思議な感覚がした。
一番遠くの山の中腹にある、帯状の家並み一帯に自分の実家がある。
眺めはとてもいいところだが、写真の通り、街までは非常に遠く、駅や小学校まで30分、中学校までは45分掛かる。
ただ、そんな日々のおかげで長距離を歩くことに対しては抵抗をさほど感じなくなったという利点もある。
本宮を過ぎると、田園風景の向こうに日本百名山のひとつ、安達太良山(1,700m)が見える。
地元では阿武隈川と並ぶ町のシンボルであり、校歌にも歌われている。
父が愛してやまない山であり、すでに何十回と登山を重ねている。
金谷川駅を過ぎると、列車は坂を一気に下って福島盆地へと降りていく。
福島県中通りは阿武隈川に沿って標高が南側ほど高く、郡山が250m近くあるのに対して福島は70mほどしかない。
そのため、桜前線も福島から郡山、白河へ向かって南下していくという逆転現象が生じている。
再び新幹線の高架が寄り添ってきて、荒川を渡ると福島駅に到着する。
大雪の日は雪雲が入り込みやすく、郡山や本宮が晴れていても、福島だけは雪が降っていることも多いが、
今日は空模様こそ怪しかったものの、雪はまったく降っていなかった。
福島からは11時ちょうど発の快速「仙台シティラビット号」に乗り継ぐ。接続が5分しかなかったので、
すでに福島駅から乗った人で座席がほぼ埋まっており、2人掛けのロングシート部分しか空いていなかった。
福島の人はあまり規模が変わらない郡山へ行くよりも、大都市である仙台へ買い物へ行く志向が強く、
今日もそれと思しき人たちがかなりを占めていた。
在来線であれば片道1,280円なのに往復1,500円という破格値のWきっぷの存在もあり、仙台は比較的気軽な街である。
快速「仙台シティラビット号」は福島県内は藤田まで各駅に停車し、乗客を拾っていく。
藤田を出ると、次は白石。県境に近付くと、福島盆地に別れを告げ、列車はぐんぐんと高度を上げる。
斜面一帯に果樹園が広がる景色は果物王国ならではの景色だなーと思う。

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