1日目
(6月24日)

旅立ち


◎行程

今回の北海道の旅は初日から大波乱だった。それは僕の得意の朝寝坊から始まった。
5:45に東府中を出る快速電車に間に合うようにと、5:00に起きるはずが、起きたのは15分後の5:15。
たかが15分の寝坊だったが、この遅刻が僕を焦らせてしまい、結局玄関を出てから2度も忘れ物を取りに
アパートに戻ってきてしまった...そして見事5:45には間に合わず...
次の快速が来る6:01までホームで待つことになってしまった。
次の快速に無事乗って新宿6:26到着。当初は新幹線に、東京駅で乗る予定だったが、
東京駅のやまびこ・こまち号の発車は6:52。僕のいる新宿から東京に向かう中央線は
すでに快速運転を始めてる時間だったので、余裕で間に合うと思った...が、
なんと中央線快速が6:42までないのだ...新宿〜東京間は15分。すでに間に合わないではないか・・・
頼みの綱だった山手線や中央線の各駅停車も休日の早朝は本数がかなり少なくまったく使えなかった。
僕はかなり諦めかけた。が、「ん?待てよ。まだ大宮から乗るっていう手があるんじゃないか?」
僕はすぐに埼京線のホームに向かった。すると僕はなんて幸運なんだろう!!
ホームには6:42発、快速の大宮行きが停車していた。新宿から大宮は快速で30分。
と言うことは大宮着は7:12(実際は7:14だったけど・・・)!!!!!!間に合うじゃん!!
東京を6:52分に出た新幹線は、7:18に大宮を発車。乗換え時間はなんとか6分取れる。
「これならギリギリセーフで、絶対に間に合う!!」と思った僕は埼京線で大宮まで行くことにした。
途中、新幹線と平行する埼京線の電車に乗っていて、僕はいつか抜かれるんじゃないかと気が気ではなかった(^^;)
そして電車は定刻通りに大宮に到着!僕は速攻で新幹線ホームに走った。
するとそこはなんとものすごい長蛇の列(-_-;) 「あ、こりゃダメだ...」僕は座れないと確信した。
僕が新幹線ホームに来て2分後。ホームにやまびこ・こまち1号盛岡・秋田行きが入線してきた。
指定席は割合空いていた。問題は自由席。大宮到着の時点で、すでに立ち客もいるほどの混み様...
大宮でさらにドッと人が乗りこみ、僕はせめてデッキで景色を眺めたかったのだが、
どんどん後ろから乗りこんでくる人の 圧力に押されて、結局客席の通路に追いやられてしまった...(-_-;)
「こまち」を連結した新幹線は停車駅が非常に少なく、次の停車駅は1時間15分後の仙台。
僕はそこまでまずは我慢することとなった...ふるさと福島県を通過するのすら見ることができずに...
あ〜、あと15分早起きしていれば...┐('〜`;)┌

新幹線の車内。
混雑しすぎて車内改札もワゴンサービスもなかった。

新幹線は仙台に到着。同時に車内が一気に動き出す。座れるかと思ったが甘かった。
仙台では降りた乗客以上に乗ってくる乗客が多く、逆に車内はさらに混んできた感じ。
でも、ここで今回の旅で初めて、人の優しさにふれる事になる。座席に座っていた家族が
僕に新聞紙をくれたのだ。そして通路側の座席の手を置くところ(名称はなんていうんだろう...)に
座らせてくれたのだ。これはかなりありがたかった。「このまま札幌まで行くんですよー」って言ったら
「あらー、そりゃ大変だねぇ。頑張ってね。」と最後に声をかけてくれた。嬉しかった。
結局、大宮から2時間。盛岡まで僕は座席に一度も座れることなく、新幹線の旅を終えた。

  盛岡に到着した。一気に人が降りる。そして走る!!僕もかなり本気で走った(^^;)
というもの次の青森行きの特急、スーパーはつかりが10分後に発車だからだ。
新幹線でこれだけ立つ人がいたのだから、はつかりも相当混雑してるんだろうなと僕はちょっとウンザリ。
でも頑張って走った。なんとか禁煙席の窓側という最高の座席を取った。
予想通りどんどん人が乗り込んでくる。
もし新幹線で座ってたら、逆にはつかりでいい席に座ることはできなかっただろう。僕の隣にも人が座った。
そしてゆっくり発車。さすが「電車の特急」。何の音も立てることなく、ス〜っと発車していった。
このスーパーはつかり。顔を出したのはこの前の3月で、かなり車体は新しい。
今までの「はつかり」の最高速度だった時速120kmを
在来線特急最速の130kmまで可能にした、まさしくスーパーの名にふさわしい特急である。
次の目的地は青森。特急スーパーはつかりは、二戸、三戸、八戸、三沢、野辺地と停車し
静かに、しかもスピーディーに僕を北へ北へと運んでくれるのであった。

二戸駅付近
東北新幹線延伸の工事が着々と進んでいた。

青森駅到着
子供や鉄道マニア達に囲まれる「スーパーはつかり」。
人気はまだまだ健在のようだ。

さて、青森に着いたところで、時間が1時間あいた。実はこれまで非常にドタバタと旅をしてきたが、
実はこれは「スーパーはつかり」に乗るため、ただそのためだけだったのだ。
朝、一生懸命走って大宮から乗ったのも、新幹線を盛岡まで立ち通したのも、
すべてはスーパーはつかりに乗りたい...ただそのためだけだった。
結局は僕が乗ってきた新幹線の1本後の新幹線に乗れば、盛岡駅で函館行きのはつかりに連絡し、
今、青森にいる僕も、結局はその、後から来る「はつかり」で函館に向かうことになるのだ。
青森駅での1時間、僕は高校時代の友達に手紙を書いていた。
旅先で手紙を書くのはなんとも言えない充実感と言うか、旅の醍醐味と言う感じがした。
1時間は本当にあっという間に過ぎ、ホームには函館行きの「はつかり」がやってきた。
青森駅で多くの人が降り、自由席はかなりガラガラ。僕はいすを回転させて、4人分の座席に
一人で座る事にした。この「はつかり」停車駅は「蟹田」「五稜郭」「函館」のみのため、
「蟹田」で人が乗ってこなければ、あとは誰も乗ってくることがない。まして蟹田は小さな小さな駅だし。
というわけで、新幹線でのあの窮屈さのうっぷんを晴らすような広々とした空間で
僕は北海道入りを迎えることができそうだ。青森駅を発車したはつかりは割合ゆっくりしたスピードで
津軽半島の海沿いをひた走る。蟹田をすぎると、線路は複線になり、
はつかりはいよいよ青函トンネルへ向けてスピードを上げ始める。北海道新幹線を視野に入れて
作られているこのあたりの線路は非常に立派で、特に青函トンネル内のレールはなんと継ぎ目が
1つもない、長さ50kmを超える世界一の超ロングレールだという。青函トンネルにはいつのまにか
入ってしまっていた。青函トンネル内は真っ暗で何も見えず、この真っ暗が25分ほど続く。
青函トンネル内は気温や湿度が一定で、レールの歪みや縮みがないため、電車はJR最高速度の
時速140kmまで特別に出してよいことになっている。50キロを超える長さのトンネルをたった25分。
相当の速さだ。そして特にアナウンスが流れるわけでなく、一気に視界が開ける。北海道だ。

 

はつかり車内
4人分の座席を一人で占領。かなり快適(^^)v

蟹田付近
海沿いを北へ北へ。対岸には下北半島が見える。

青函トンネル直前
こんなに山奥なのに、線路は新幹線並みに立派だ。

青函トンネルを出た瞬間
視界の向こうに広がるのは...北海道。

いよいよ北海道に入った。はつかりは再びスピードを落とし、相変わらず海沿いを走り始めた。
次第に対岸に函館山が見えてくる。よく考えたら明るい時間にここを走るのは、かなり久しぶりな気がする。
夜にこの辺りを通ると、函館の夜景がとてもきれいに見えるのだ。青森を出て約2時間。
ようやく大きな街並みが見えてきた。北海道の玄関口、函館だ。五稜郭である程度乗客を落としたあと、
「はつかり」は終点函館に到着した。降り立つとそこは東京の暑さを忘れさせてくれるかのように
涼しい海風が吹いていた。いよいよここから本当の北海道の旅が始まる。

 

対岸に見える函館山
うっすらと対岸に見えるのが函館山です。
夜は函館の夜景が見渡せます。

快速海峡
函館発青森行きの快速海峡です。
外装も内装もドラえもんだらけ・・・

函館駅
北海道の玄関口、函館駅の駅舎です。

今回、函館では観光する時間はなく、駅前周辺の写真を撮った僕はすぐに駅へ逆戻り。
ここから札幌行きの特急スーパー北斗に乗ることになる。7両編成だったから余裕で座れると思っていたら
どこまで行っても自由席の車両が出てこない...なんと自由席は6両目と7両目。たった2両しかなかった。
禁煙席は、海側の席が全部埋まってしまっていたので、今回は喫煙席で我慢することにした。
15:02、自由席の座席は半分ほどの乗車率で函館を出発!ディーゼルの轟音をとどろかせながら、
スーパー北斗は一路札幌に向けて疾走を始めた。乗り心地は車両に「振り子」を採用してるためかなりいい感じ。
カーブでは振り子がよく働いているのが分かるし、車体が斜めになる感覚がなんとも言えない。
またこのスーパー北斗には1両目車両の1番前に窓が付いていて、運転手気分を味わうことができる。
僕はせっかく海側の席を取ったにもかかわらず、結局半分以上、落ち着いて座っていなかった(^^;)
スーパー北斗は時速130kmというディーゼルとはとても思えないような猛スピードで、ひたすら北を目指した。
途中、大沼公園、駒ヶ岳、噴火中の有珠山、雄大な自然、どこまでも続く太平洋の大海原...
変わり行く風景を楽しみながらの旅は続いた。ずっと空いていた車内だったが東室蘭で一気に人が乗ってきて
僕の隣にも苫小牧でとうとう人が座った。これでもう一番前の窓には行けない...(T-T)
苫小牧をでるとどんどん内陸に入っていき、いよいよ街が都会めいてくる。新千歳空港をすぎると、
そこはもう札幌都市圏に入り、たくさんの電車とすれ違うようになった。
新札幌をまでくると、そこはもう完全な都会!高層ビルが立ち並ぶ様は、まさに圧巻だ。
新札幌からはあっという間に札幌到着。人、人、人であふれかえる札幌駅のホーム。
東京の府中という片田舎からきた僕は、逆に怯んでしまった(笑)
  

特急スーパー北斗
函館駅にて撮影しました。
時速130kmで函館と札幌を結びます。

運転手気分になれる窓
一番前の車両の一番前には
このように運転者気分を味わえる窓があります。

気分は運転手
一番前の車窓から眺める車窓はこんな感じです。
時速130km走行時はかなりの迫力!!

駒ヶ岳
大沼公園を過ぎると、車窓の右側に大きな駒ヶ岳が。

森、八雲付近
しばらくの間、太平洋の大海原が広がる。

長万部付近
北海道らしい風景が広がっていた。右手には海。

トワイライトエクスプレス
大阪行きの夜行列車。洞爺駅にて。

噴火する有珠山
洞爺〜伊達紋別では噴火する有珠山の姿が...
さすがのスーパー北斗もこの付近は徐行運転をする。

登別、苫小牧付近
広々とした原野が広がり、その向こうには太平洋が。
まもなく列車は海を離れて内陸に入る。

千歳付近
札幌近郊になっても、こんな風景がちらほら。

賑わう改札
もはや自動改札は当たり前。
東京と変わらぬ賑わいをみせる札幌駅。

札幌に降り立った僕は、まずは恒例の大通公園に向かうことにした。
この公園、札幌駅からは何気に遠いσ(^◇^;) けっこうな時間歩いて、ようやく大通公園到着!
この時すでに夕方6:30を回っていたが、まだ余裕で明るかったので、
家族連れやカップルの姿もたくさん見られた。
公園内に植えられた色とりどりのパンジーがすごくきれいだった。
 

札幌駅前
道都札幌の駅前の様子。活気にあふれていた。

札幌駅
どんどん人が吸い込まれて行く。現在改装中。

大通公園テレビ塔
札幌の住所は、これが基点になってるらしい。

大通公園
たくさんの市民で賑わう。パンジーがきれいだった。

札幌では藻岩山の夜景を見に行くことになっていた。
札幌に行く前から、僕は同じ「メーリングリストあぶくま」で札幌近郊の江別に住むCELICAさんと
連絡を取り合って、札幌に着いたら会うことにしていた。札幌と言う見知らぬ土地で、
顔の知っている人と会うのは、なんとなく感動的だった。藻岩山へは市電の路面電車を使って行く。
最寄駅の「ロープウェー前」で降りたはいいものの、お互い藻岩山は初めて。とりあえず視界には入ってこない。
すると同じ駅で降りた、けっこう可愛い女子高生が「あのー、ロープウェーですか??」と
親切にも声を掛けて来てくれたのだった。北海道の女子高生とは、なんと優しいんだろう...うーんよいよい(^-^)
藻岩山頂へはロープウェーとリフトを乗り継いで行く。まさかリフトもあるとは知らなかった...
山を上ると一気に視界が開け、宝石箱をひっくり返したような(と雑誌に表現してあった^^;)札幌の夜景が
眼下に広がった。函館と比べると、形こそ劣れど、夜景のスケール、明るさではまったく負けていない。
カップルが多い中、僕たちは男2人で札幌の夜景に酔いしれていた(笑)
 

藻岩山山頂からの夜景
写真ではあまり伝わらないが、かなりのスケール!

観光客
今日もたくさんの観光客が藻岩山に来てるようだ。

夜景を見た僕たちは、札幌駅前に戻り、夕食を取る予定だった。
しかしここでこの旅始まって以来、最大のピンチが訪れる。
ふと網走行きの夜行列車を時刻表で調べた僕は、ビックリしてしまった。
なんと23:00発だと思っていたのが、22:09発なのだ!!23:00発は網走行きだった。
時間はすでに21:20を回っていたような気がする。
かなりヤバイ!!間に合わない可能性だって十分ある!!
しかしここで地元民CELICAさんの力が発揮されることとなった。
路面電車、地下鉄を駆使して、最後は旅に何の関係もないCELICAさんまで
思いっきりダッシュさせてしまう羽目に...(笑) でも間に合った!!
ありがとう!CELICAさん(^_^)v が...やはり札幌駅の到着がやや遅すぎた(^_^;)
すでに網走行きの特急オホーツクはものすごい行列になっていた。
結局僕は自由席のデッキにすら入りこむことができず、指定席のデッキへ。
ようやくデッキに座るだけのスペースは確保できた。
しかしこれでは絶対に寝れるはずがない...あー...どうしよう、と途方にくれる僕であった。
 

特急オホーツクの行列
うわー!!なんだこの行列は...もう夜10時なのに。

デッキに...
結局座れず、デッキに行くことに。

デッキ仲間(笑)
指定席のデッキにはまだ座るスペースがあった。
自由席の方はデッキすら身動きが取れないほどだった。


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