こんばんは。今回の旅は、夜からのスタートです。
今日はこれから網走に流氷を見に出かけます。
明日の始発で行ったのでは、網走に到着するのが午後になってしまうので
この時期だけ走っている臨時特急「オホーツク81号」を利用することに。
ただし、今回利用する「スーパー前売りきっぷ」の有効期間が、
3月1日と2日なので、出発日の2月29日分は別途扱い。
オホーツク81号は滝川駅で日付が3月1日へと変わるので、
まずは安い高速バスを使って、滝川を目指すことにしました。
21時05分発の砂川経由、高速たきかわ号です。
高速バスなんて久しぶりでしたが、シートピッチも広く快適でした^^
疲れていたのか、札幌駅ターミナルを出発して、
高速道路に入った辺りから爆睡していました^^;
1時間半ほどバスに揺られて、滝川ターミナルに到着。
まだ時間は22時40分ごろ。列車までは1時間半ぐらいあるので、
深夜の滝川駅周辺を歩いてみることにしました。
駅前から続く片屋根式のアーケードを歩いた先には、
「三楽街」という楽しそうな名前の歓楽街が広がっていました。
せっかくなので三楽街の中を歩いていくことにしました。
写真では誰も歩いていないようですが、それなりに賑わっています。
若者があちこちで大声を上げたりしていました(^^ゞ
滝川周辺の人たちが一杯飲むというときは、
札幌のすすきのがそうであるように、ここにみんな集まるんでしょうね。
15分ほど歩いて、ファミレスの「Victoria」に到着。
北海道限定のファミレスですが、北海道にはたくさんあります。
深夜帯にも関わらず、店内はけっこう混みあっていました。
僕はイチゴパフェとドリンクバーで過ごしました。
深夜なので、深夜料金10%取られてしまうんですね(汗)。
まぁ、それでもいい時間つぶしになりました(^^)
滝川駅へと戻ってきました。時間はもう0時を回っています。
駅前にはタクシーが停まっているのみで、とても静かでした。
駅の看板に出てる列車も、
僕が乗る「オホーツク81号」ただ1つだけです。
最終のスーパーカムイ旭川ゆきが遅れて到着したため、
この時間になって、改札を出てくる人がけっこういました。
改札の時間になり、6番ホームへ。
深夜のホームというのは、また独特な雰囲気があり、
旅情をかきたてられます。
まもなく札幌方面から特急「オホーツク81号」が入線してきました。
一応、指定席を取っていたので一番後ろの車両である、
5号車に乗り込みました。旭川まではここで過ごしました。
旭川駅で20分ほど停車している間に、
前方の自由席をちょっと見物に行くと、超ガラガラ。
さっそく荷物をぜんぶ持って、自由席へと移動しました。
座席は簡易リクライニングシートでしたが、
座席を回転させて、4席使えれば、もう十分快適です(^^)
指定席車両でも1人か2人しか乗っていない車両もあり、
流氷のシーズンでもこれしか乗ってないんだな〜と、
つくづく道内の夜行列車の衰退っぷりを感じさせられました。
外が明るくなってきて、目が覚めました。
車端部でしたが、こんな感じで座席を回して、
ぐっすりと眠ることができました(^^)
明るくなってくると、もうまもなく網走に到着です。
6時15分、定刻に網走駅に到着しました。
キリっとした冷たい空気に一気に目が覚めました。
滝川から6時間、札幌からは9時間近くかかりました。
網走ってやっぱり遠いですね。けど、今年すでに3回目・・・(^^ゞ
滝川から揺られてきた、「オホーツク81号」です。
国鉄時代の車両が今でも使われています。
今日は増結車を含めて7両編成という長大編成でした。
次の釧路行きの列車まで、30分近くあったので、
一旦改札を出て、網走駅の写真を撮ったりしました。
「網走駅」と縦書きで書かれている駅名板は珍しく、
さすが刑務所のある街だな〜という感じです。
駅前をふらふらした後は、ふたたび改札をくぐり、
釧路行きの始発列車に乗り込みました。
始発といえど、夜行列車を受けて発車しているので、
車内はほぼ満席。僕は北浜駅で降りるのでいいですけど、
これで一気に釧路まで行く人にとっては少ししんどい感じです。
網走駅を出発して、一つ目の桂台駅を出ると、
車窓には流氷で埋め尽くされたオホーツク海が広がりました。
真っ白な海・・・。とっても不思議な感覚です。
車内の人たちもほとんどがこの海に視線を注いでいました。
2駅目、鱒浦駅。駅のすぐ向こうは漁港になっていますが、
この時期は流氷がびっしりと押し寄せていて漁になりません。
知床斜里駅へと通学する学生がたくさん乗り込んできました。
観光客に学生が加わって、車内はデッキまでいっぱいです。
「桂台」、「鱒浦」、「藻琴」と駅を通り過ぎて、北浜駅で下車しました。
自分だけかと思いましたが、他にも5、6人下車した人がいたようです。
1両編成の列車は少しだけ荷物を軽くして、オホーツク海を横目に
知床斜里、そして釧路方面へと走り去っていきました。
曇り空で写真ではよく分からないかもしれませんが、
車窓の左手はすべてオホーツク海。完全に流氷が接岸しています。
北浜駅。北海道に数多く存在する駅の中でも、
旅人に強く愛されてやまない駅のひとつ。
木製の駅舎と、赤いポストがいい味を出してます。
駅名の看板。
ちょっと錆びてるところがまたいい味を出しています。
北浜駅の列車時刻表です。
北海道らしいあっさりとした時刻表ですね。
僕の乗ってきた列車が6時57分発の釧路行き、
ここから折り返しで網走駅へと帰るのですが、
網走行きは7時16分と7時56分が立て続けにやってきます。
駅舎の中は切符や名刺、定期、プリクラなど、
天井まで埋め尽くされるように、みんなの旅の足跡が。
天井なんて一体どうやって貼ったんだろう??って
思ってしまうぐらい、すみずみまで貼ってあります(^^ゞ
1枚1枚見ていくのも、なかなか面白かったりします。
「オホーツク海に一番近い駅」の看板が掲げられた北浜駅。
ここにはそのオホーツク海を眺めながら、
食事や喫茶ができる「停車場」というレストランがあります。
ここは後ほど、ふたたび訪れることにして、
ホームへと出てみることにしました。
北浜駅のホームから見たオホーツク海。
海までの距離は20mと、すぐ目の前です。
一面真っ白な流氷で覆われて、
波もなく、微動だにしない不思議な海。
ここが日本であることを忘れてしまうほどの異空間です。
氷の上から冷たい北風が吹きつけて、
あっという間に手や耳が痛くなりました。
7時16分発の列車の時刻が近付くと、
駅前に急に車が何台も集まってきました。
続々と高校生が車から降りて、駅舎へと吸い込まれていきます。
こうして毎日繰り返されているであろう日常の風景でも、
旅で訪れた人間にとっては、とても新鮮な風景に映ります。
7時16分発の列車は、定刻に北浜駅を発車していきました。
流氷の押し寄せるオホーツク海を横目に走る1両の汽車。
冬の北海道を象徴する、1枚の絵のような風景でした。
見えなくなるまで見送っていました。
あの列車が見えなくなっちゃったら、
なんだかもう次の列車は来ないんじゃないかと思ってしまうほど、
侘しくて、荒涼として、寒々しい風景でした。
それでもここで普通に暮らしている人がいること。
自分も同じ一つの「北海道」という土地に住みながらも、
オホーツク海沿いに住む人々の力強さを感じました。
列車の写真や、流氷の写真を撮るには、
北浜駅のホームにある展望台がとっても便利(^^)
はじめてこの駅を訪れたときは無かったので、
まだ展望台が完成してからはそんなに経っていないと思います。
それだけこの北浜駅が有名になったということですね。
今では大型観光バスも立ち寄る有名スポットとなっています。
列車を見送って、次の列車は40分後。
時間があるので、一番近くの踏み切りを渡って、
海岸線へと出てみることにしました。
踏み切りを渡ると、すぐにオホーツク海が広がります。
どこまでが砂浜で、どこからが海かよく分かりません・・・^^;
初めは「こんな踏み切り、誰が渡るんだろう・・・?」と
思ってしまうほど、踏み切りの先には何もないのですが、
意外にも人が数人いました。しかもみんな網持ってる!
クリオネがけっこう簡単に採れてしまうそうなんです。
自分も砂浜のギリギリのところまで行きました。
一番岸に近い流氷に片足を乗せてみると、
「ぎゅうううう」っと鳴って、微妙に動きます。
怖いので両足は乗せませんでした。
というか、乗るのは本当はダメです(汗)。
足を乗せなくても、じーっと流氷たちを見ていると、
「ぎゅううう」っと鳴りながら、ゆっくりゆっくり動いています。
一晩で一気に岸から見えなくなってしまうときもあるわけですから、
本当にけっこうな勢いで動いているんですね。
北浜駅に戻ってきました。
喫茶「停車場」は11時からの営業なので、まだ閉店中。
お店の中はボックスシート、網棚、扇風機、タブレット、サボ、
制服、鉄道雑誌、車掌さんの鞄?などが配置されていて、
鉄道ファンにはとても嬉しい造りになっています(^^)
7時56分発の網走行きは、高校生でとっても混雑していました。
珍しく2両編成で、それがデッキまで全ていっぱい。
車窓に映る流氷を見ながら、「今日はすごい来てるね〜」と
友達同士で話していました。ちゃんと見てるんですね。
高校生のほとんどは網走駅の1駅手前の桂台駅で下車。
ワンマン列車なので1番前のドアしか開かず、
全員が降りきるまでに3分ぐらいかかっていました^^;
どおりで、時刻表を見てもこの列車だけやけに時間が掛かるわけです。
僕は網走駅でも下車せず、そのまま乗り続けました。
車窓には今度は流氷ではなく、結氷した網走湖が見えます。
網走駅を出て1駅目、呼人駅で途中下車。
北浜駅から呼人駅まで乗ってきたのは、キハ40系でした。
この列車、このまま留辺蕊(るべしべ)駅まで走ります。
呼人駅舎。
網走湖や網走湖温泉に最も近い駅ではありますが、
そのために下車する人はほとんどいなそうです。
駅の周りには小さな集落が広がっています。
駅舎からは煙突が出ていて、そこからもくもくと煙が上がっていました。
駅の中はストーブが焚かれていて、ものすごい暖かいです(^^)
身体の芯まで暖まる、優しい灯油ストーブの暖かさです。
このあと、網走へ通勤する地元のおばちゃんがやってきて、
列車の時間までいろいろとお話をしていました。
季節はすでに3月ですが、網走は流氷が接岸してからの方が寒く、
今日は一段と冷えるとのことでした。やっぱり寒いんだ〜。
折り返しの列車に揺られて網走駅に戻ってきました。
朝はまだ出ていませんでしたが、
鮭が駅前に並んで売られていました。
もっとも買う人はいないようで、みんな記念撮影してました^^;
こんな記念写真のパネルもあります。
お正月に来たときは、僕もこれで記念撮影しました(笑)。
この写真を撮っていると、ようやく東京の友人が、
女満別空港からバスで網走駅に到着。無事に再会を果たしました。
朝から何も食べてないのでさっそく駅弁を食べました。
網走駅の名物駅弁の一つ、「ホタテ弁当」(900円)です。
ホタテがこれでもか!っていうぐらいたくさん入っています。
あまりに腹が減っていたので、すでに少し食べかけです^^;
ここからは「流氷ノロッコ号」に乗って、
再び北浜駅へと向かいます。
普通列車は1両か多くて2両ですが、ノロッコ号は5両編成。
一方で、途中駅は小さなホームの駅が多いので、
ドアの開かない車両もあり、途中駅で降りるときは要注意です。
ホームには流氷ノロッコ号の旗がいっぱいです。
平成2年から走っているそうですね。
ノロッコ号は網走から知床斜里までを結んでいます。
この区間が海沿いで、そこから先は内陸へと入るためです。
僕たちが乗車するノロッコ1号は、各駅停車で、
普通列車の役目も果たしていて、この列車のために
定期で走っている普通列車が1本運休しています。
車内は3人掛けボックスシートと、2人掛けベンチが並び、
窓も普通列車に比べると、大変大きく取られています。
ちなみにオホーツク海側は2人掛けベンチの方。
ただ、窓がとても大きいので3人掛けの席からもよく見えます。
天井には動物のぬいぐるみも吊り下がっていて、
道東の自然の豊かさ(?)を表現しているようです。
列車の時刻が迫り、たくさんの人が乗り込んできました。
中央3号車には、売店もあり、駅弁やジュースなどの他、
流氷ノロッコ号名物の「スルメ」も売られています。
これをダルマストーブで焼いて食べるのです(^^)
僕たちが乗車する5号車にやってきました。
壁にはオオワシとアザラシが描かれていました。
発車前のストーブの点検が行われていました。
列車の中で石炭を使ってダルマストーブを焚くというのも
いろいろとメンテナンスが大変なんでしょうね。
石炭ストーブなので、
軍手やスコップなど、それらしいものが置かれています。
こうして普通に置かれているということは、
自由に石炭をくべたりしてもいいようです。
さっそく友人は発車前から石炭を入れまくっていました(笑)。
そしてその上から、おじさんがスルメを置いて焼いていました。
発車前からダルマストーブの周りは大賑わいです(^^)
ダルマストーブに使われている石炭。
なにげに、こうして手で直接触ったのは初めてかもしれません。
見た感じ、普通の黒い石のようですが、
これがちゃんと燃えるのだからすごいな〜と思いました。
ノロッコ号は網走駅を出発し、各駅に停車していきます。
朝と同様に桂台駅を出ると、一気に車窓には海が広がり、
車内からは歓声が上がりました。
流氷ノロッコ号の車内アナウンスを担当している、
ツインクルレディの方が言うには、
「数日前まで真っ青な海を見ながらこの列車は走っていました。
ですから皆さん、今日は本当に運がいいですよ!」
とのことでした。ほんと、こんなに真っ白な流氷を見たのは、
僕も久しぶりのことだったので、嬉しかったです(^^)
椅子はありますが、みんな立ち上がって写真を撮ってます。
流氷ノロッコ号とはいえ、海岸線ギリギリに迫る区間は、
北浜駅の周辺と止別−知床斜里の間ぐらい。
あとは丘陵などに視界を阻まれてしまって、
意外と流氷を近くで見られる区間というのは短いです。
4駅目の北浜駅で再び下車。
そして再び、この踏切を渡りました。
踏切から見る釧網本線の線路は、
ここから少し海から遠ざかります。
ノロッコ号の姿はすでに見えなくなっていて、
寂しい風景だけが広がっていました。
東京から来た友人は、すでに梅の開花を見て来ているので、
同じ日本で、しかも同じ日に見た風景が
これだけ大きく違うことに驚いていました^^;
海岸線には背丈を越えるほどの流氷が押し寄せていました。
ここ数日の北風の影響により、流氷が岸に強く押し寄せられ、
海岸線付近で大きく盛り上がっていました。すごい迫力です。
朝、クリオネを採っていた人たちはすでに姿を消していて、
この時間は自分たちと同じ、観光客と思われる人が数人いました。
11時の開店を待って、北浜駅の喫茶店「停車場」に入りました。
同じく開店を待っていた人がいて、
店内の海側ボックス席はあっという間に満席になりました。
僕は、850円の停車場ランチをいただくことにしました(^^)
割り箸の袋には、ここの住所が書かれていました。
北海道網走市北浜「無番地」。。。番地ないんですね^^;
ジュージューと美味しそうな音が聞こえてくると、
まもなく運ばれてきたのが「停車場ランチ」。
目玉焼き付きのハンバーグに、味噌汁とご飯が付き、
食後にはコーヒーもセットになっています(^^)
ハンバーグは肉汁たっぷりでとっても美味しかったです。
そしてふと横を見れば窓から見えるオホーツク海。
流氷の押し寄せるオホーツク海を見ながら、
線路やホームの見える駅でご飯を食べている・・・。
毎回の事ながら、ここへ来るととても不思議な感覚に陥ります。
窓の向こうはすぐにホームです。
列車はしばらく来ないのですが、すぐ脇を道路が走っているので、
自家用車や観光バスが次々にやってきて、
観光客の人たちが写真を撮って、去っていきました。
ご馳走さまでした〜。最後のコーヒーまでとっても美味しかったです。
眺めもよし、味もよし、値段もまぁ良心的。
あとは、もう少し店員さんの愛想がよかったら・・・と思います。
最後は列車の時間がやってくるまで、
展望台からの風景を楽しみました。
前回、両親と訪れたときは知床連山もきれいに見えましたが、
今日は雪が少しちらついていて、その姿は見えませんでした。
網走ゆきの列車が入線してきました。
釧路からやってきた快速列車「しれとこ」です。
車内は毎回の事ながら満席。立ち客もいっぱい。
この路線、1両じゃ絶対に少ないと思うのですが、
いつも釧路−網走を直通する列車は1両と決まっています。
しかも座席の向きを変えられない集団お見合い形式。
半分の人は後ろ向きのまま、進んでいかなければなりません。
僕たちは北浜から網走まで快速なのでわずか2駅、13分。
あっという間に網走駅に到着しました。
網走駅からタクシーに乗って砕氷船ターミナルへやってきました。
今回の旅行では、「北浜駅で流氷を眺めて終わる」はずだったのですが、
あまりに流氷の密度が高いので、こんなチャンスは滅多にないと、
いよいよ今度は本格的に流氷の海へと出ることにしました。
この時期、砕氷船は1時間半おきに出航しており、混雑緩和のため、
2隻の「おーろら号」「おーろら2号」に分かれて乗船できます。
僕たちが乗船したのは12時30分発の便。「おーろら2号」の方でした。
先に乗船を済ませた「おーろら号」は、定刻より早い12時15分ごろ、
一足先に港を出発していきました。行ってらっしゃーい!


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