寝台特急「北斗星」で行く北海道年越し旅行 2013.12.29-2014.1.3

2013年秋、上野と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」の近いうちの廃止が報道されました。
飛行機で行く北海道旅行はもともと計画していたけど、北斗星が廃止となればやっぱり乗っておきたい。
これが最後になるかもしれないと思いながら、上野と札幌を往復で乗車してきました。

発車まで10分ほどあるので、少しだけ車内探索。こちらはすぐ隣にあるロビーカー。みんなが使えるフリースペースとなっています。
見た感じとても優雅な雰囲気を出しているのですが、11両の寝台列車でこれしかフリースペースが設けられていないため、
常に混雑しており、子供向けに賑やかなビデオ放映も行われているので、あまり優雅な雰囲気とはいえないのが実情です。
シャワー券を買いに食堂車「グランシャリオ」へ向かいます。シャワー券は食堂車でしか買うことができず、
浴びることができる人数も30分に2人ずつと制限されているため、この発車前に購入しないとシャワーを浴びることができなくなってしまいます。
自宅でお風呂に入ってくるか、到着後にどこかでお風呂に入る、という人にとっては不要なのですが、
上野駅に来るまでの間に汗をかいてしまったのと、シャワールームも貴重な体験なのでぜひやっておきたいということで、シャワー券を購入です。
食堂車なので、列に並んでいる間はテーブルにセットされたディナータイム開始前の様子を見ることができます。
下り列車の場合、ディナータイムは19時30分〜20時50分までの1回しかないので、予約をするのも大変かと推測されます。
発車後の車内放送にて、満席のため相席でお座席をご用意しておりますとの放送がありました。1人7,800円も払って相席だったら嫌だなぁ・・・。
自分の部屋に戻ってきました。空調や照明は自分で自由に調節することができます。
スイッチやダイヤルはかなり年季が入っている感じで、北斗星が走り続けた歴史を感じました。
オーディオサービスも自由に聞くことができます。自分は列車が走る音の方を聞きたかったので、音楽はほとんど聴きませんでしたが、
ジャズ風のチャンネルが多いと感じました。食堂車で流れている音楽でもあるので、旅情が高まるかもしれませんね。
ベッドの幅は70cm。寝返りを打てるほどではないですが、寝るには十分な広さです。
JRのマークがいっぱい描かれた浴衣も置かれています。
その他、ハンガーが1つついているのと、ドアの上が荷物置きスペースになっています。
荷物を置くスペースは2階の方が2倍広いですが、往路は荷物もそんなに多くないので、十分なスペースです。
これだけ広い空間を特急券+6,300円の寝台料金で利用できるのですから、新幹線のグリーン料金などと比べると、
利用者側からすればかなりお得であり、提供する側からしたら割に合わないのかなぁとも思いました。
19時03分、上野駅をゆっくりと発車。
客車が機関車に引っ張られる時の、独特の「ガッシャン!」という衝撃もなく、電車のように滑らかに走り出しました。
上野駅のホームでは多くの人が北斗星の発車を見送っていました。
臨時列車ではなく、毎日毎日このホームを走っているのに、これほど多くの人に見送られる北斗星。
やっぱりブルートレインは特別な列車なんだなぁと、この瞬間に北斗星に乗れていることが本当にありがたいことだなと思いました。
上野駅を出発した北斗星は、北を目指してどんどん進んでいきます。写真は京浜東北線の東十条駅。
普段、見慣れた駅や電車も、このベッドの上から眺めていると、特別な風景に見えてくるから不思議です。
今回、乗車券として購入したのが「札幌フリー乗車券」です。仙台でしか売ってないので、仙台の近畿日本ツーリストさんから郵送で購入しました。
北斗星が通る第3セクター路線、「IGRいわて銀河鉄道」・「青い森鉄道」も経由できて、仙台から札幌まで往復13,500円です。
片道運賃だけでもその値段より高額なので、これでかなりの節約になりました。東京〜仙台の乗車券をこれに追加購入すれば上野から乗れます。
しかも有効期間の最終日に日付をまたぐ列車に乗る場合、乗車券が有効となる駅(仙台エリア)まで乗れるというルールもあったので、
1月2日に札幌を北斗星で出て、翌日になってしまっても仙台(乗車券の追加で東京)まで乗れることが分かり、帰りは1月2日となりました。
大宮を出て、大方の乗客が乗り込んだところで、車掌さんから寝台券のチェックと個室の鍵の配布がありました。
6号車は写真の通り、いわゆる普通の鍵ですが、5号車は暗証番号式、9号車はカードキー式と、施錠方法がまちまちです。
鍵の上にあるのが、乗車前に購入したシャワーカード(310円)。ルーム(AかB)と時間帯が書かれています。
北斗星の絵柄ではなく、同じ寝台特急であるカシオペアのを使いまわしています。乗車記念としてはいただけないかなぁ。
北斗星のスピードは意外と速く、線形の良い首都圏エリアは100km/h以上で走り抜けます。
時間がかかるとはいえ、1,100km以上も離れた場所まで走らなければならないので、それなりに急ぐ必要もあるんですね。
一通りの写真を撮り終えて、車窓もひと段落したところで、夕食にしました。食堂車のディナーコースは7,800円ですが、こちらは1,500円。
上野駅のエキュートで購入した鮭弁当が、予想外に美味しくて、素敵なひとりディナータイムとなりました。
大宮駅から57分。20時27分に宇都宮駅に到着しました。ここまではかなりスピードを出していて速かったです。
そして、栃木県内は空が晴れていたこともあり、部屋の照明を全部消すと、星空がとてもきれいに見えました。まさに動くプラネタリウム。
「北斗星」の列車の名前の通り、星空の中を北へ北へと向かって走ってるんだなぁと思うと、感動して涙が出そうになりました。
20時30分からシャワールームを予約していたので、ロビーカーの端にあるシャワールームへと向かいます。
同じ6号車なので移動はとても便利。タオルや着替えをもってロビーカーを移動するので、みんなに見られてしまいます。
ロビーカーはディナータイム終了後のパブタイムを待つ人で、すでに列ができ始めていました。

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