清水沢駅から2駅目の沼ノ沢駅でふたたび途中下車。
降りた客は僕ひとりだけでした。
こちらの駅ホームもなかなか年季が入っています。
ホームに降り立った瞬間、食べ物のいい匂いが周囲に漂っていて、
一気にお腹がグーっとなりました。。。ここでランチタイムです^^
「ぬまのさわ」は正しく表示されてるけど、
漢字名と両側の駅名は、一部がえぐりとられていました^^;
「Y21」と貼られた駅ナンバリングのシールだけが、
ヤケに新しくミスマッチな感じです。
沼ノ沢駅にはレストラン「おーやま」が併設されています。
北海道に駅レストランがある駅は、
釧網本線の藻琴・北浜・止別・川湯温泉の各駅や、
函館本線のニセコ駅など、あちこちにありますが
この夕張支線にも駅レストランがあるというのは初めて知りました。
このことを知ったのは、以前HPの日記で紹介したことのある、
矢野直美さん著書の「北海道のんびり鉄道旅」を読んでの事でした。
ドキドキしながら店内へ。
「いらっしゃいませー」と笑顔でご夫婦が迎えてくれました^^
中へ入ると、駅とは思えない普通の本格的なレストランです。
僕が入ったときは、ちょうどお昼時だったこともあり、
地元の人たちでほぼ満席の状態でした。
メニューを見ると、少し高めの値段設定のようにも感じましたが、
地元の人たちにもしっかり愛されているレストランなんですね^^
僕が注文したのは、やまいもハンバーグ定食(1,370円)。
夕張産のやまいもがハンバーグの上にたっぷり乗っています^^
まず、一口。うん、うまい!そしてやまいもがすごく甘いです!
ハンバーグも肉汁がたっぷり染み出していて、
味付けのソースもまた絶品でした(^^)
サラダに付いているマヨネーズも手作りの味がしました。
ここのご主人は東京の帝国ホテルのレストランで
シェフをしていたこともあり、他の料理もかなり本格的なものばかり。
夕張に来て、こんな美味しいものを食べれるとは思ってもみませんでした。
10分も経たないうちに、すっかり食べ切ってしまいました^^;
地元の人たちが一斉に帰って行ったので、
お客が僕ひとりだけになりました。
忙しかった店内も片づけが済んでひと段落。
ご主人が「何を見ていらしてくれたんですか?」と
話しかけてきてくれました。本を読んで来たことを話すと、
嬉しそうに「そうなんですかー、じゃぁ今、珈琲入れるから、
ゆっくりして行って下さいね^^」と、珈琲をサービスしてくれました。
珈琲は普段は平日ランチのみのサービスと書いてあり、
別に注文しようかと思っていたので、その心遣いがとても嬉しかったです。
列車の時間まで、ご主人と談笑しながらゆっくり珈琲を飲むひととき。
身体も心もあたたかくなりました。
「ご馳走さまでしたー!また絶対来ます!」と言って外へ。
最後はご夫婦そろって、笑顔で送り出してくれました(^^)
本当に充実した時間を過ごした感じがしました。
駅舎を外から見ると、本当にレストランとくっついています。
「レストランおーやま」
営業時間⇒10:30〜21:00(20:00ラストオーダー)
定休日⇒毎月「5」の付く日(祝日の場合は翌日)
電話番号⇒01235-7-3911
沼ノ沢駅の時刻表は、こんな感じです。
僕が降りたのが12時47分で、次が13時45分。
うまくお昼時に1時間弱の待ち時間があるので、
途中下車してランチを食べるには
もってこいの時刻表ダイヤです。
18時33分−19時42分というところも、
夕食の時間にはうまく使えそうですね(^^)
夜に立ち寄る場合は、追分で苫小牧方面の室蘭本線に乗り換えて、
途中の沼ノ端駅で札幌行きにふたたび乗り換えることで、
一日散歩きっぷのみでも札幌へと帰ってくることができます。
沼ノ沢駅の運賃表。
新千歳空港まで1,040円・・・札幌から空港までの運賃とまったく同じ。
さっきの道路看板でも思いましたが、
ものすごく遠いようで意外と近い夕張です。
駅舎の中の椅子には座布団が置かれています。
北海道の駅にはよく座布団、置かれていることが多いですね。
椅子は冬になるととっても冷たくなってしまうので、
こういうちょっとした心遣いがありがたいです(^^)
13時45分の追分ゆきが入線してきました。
1本前がわずか58分前なので、さすがにガラガラでした。
夕張市内をぐるりと巡る旅もこれにて終了です。
今回、感じたことは夕張が意外と元気であったこと。
たまたま訪れた場所だけだったのかもしれませんが、
人々の顔は笑顔にあふれ、夕張をとても愛している気がしました。
僕自身も、夕張の街を歩いてみて、何も見るとこないかなーと
思っていましたが、実際は時間が足りなくなってしまうほど。
北海道らしい雄大な景色や豪快な料理などはありませんし、
街並みは寂れているし、歩いているのはほとんど老人でしたが、
それでも人々は「あったかい」、そして「元気」です。
一駅乗って、新夕張で下車。
列車はそのまますぐに追分駅に向かって発車していきました。
追分駅での接続がよければ、このまま帰ってもよかったのですが、
時刻表を見ると、約2時間待ち時間を食らうので、
反対側の帯広方面の列車に乗り換えることにしました。
帯広方面は、19分の待ち時間で特急「スーパーとかち5号」に
接続することができます。
新夕張駅。ここももちろん夕張市です。
清水沢駅と並んで、市内で2つある有人駅の一つで、
ちゃんとみどりの窓口もあります。
こちらの駅では、まだ「JAS」を取り扱ってるようです^^;
JASって・・・もうかなり前にJALに吸収合併されたような。
駅ナカにはキヨスクがありました。
営業しているところを初めて見ました。
ときどき新夕張駅は列車の待ち時間で降りることがあるのですが、
ほとんどが夜で、みどりの窓口もキヨスクも閉まっているので、
僕は手前の緑のカーペットでごろんと横になってるんですが、
今日は両者ともに営業中で、なんだか新鮮な感じでした。
特急「スーパーとかち5号」帯広ゆき。
さっきは特急料金を払って乗車しましたが、
新夕張から先の新得までは、特急しか走っていないので、
特例として一日散歩きっぷのみで乗ることができます。
さっきはキハ261系でしたが、今度はキハ283系。
261系は空気バネによって車体を傾斜させますが、
283系は振り子機能を搭載しており、よりお金がかかっています。
自由席はまたしてもガラガラ。
余裕で窓際の席をGETできました(^^)
フットレストも付いていて、しばし優雅な特急列車の旅です^^
乗車するのは一駅先の占冠駅までですが、
駅間が34.3kmと、日本で最長の駅間となっているため、
約25分間のゆったりとした旅を満喫することができました。
途中、廃駅となってしまった楓駅(現在の楓信号所)で
列車の行き違いをして、占冠駅に到着しました。
車内の自動放送でも「途中、楓信号所で列車行き違いを致します」と
信号所の名前まで読み上げる放送が流れるようになりましたが、
そこまでちゃんと聞いて、ふむふむそうか、と思う人って、
ほとんどいない気がします^^;
占冠駅では思ったよりたくさんの人が下車しました。
自由席だけでも10人以上は下車したと思います。
駅は一応、占冠村が切符販売を委託営業している有人駅なのですが、
みんなここのゲートから外に出て行っていたので、
僕もそれに続けとばかりに出てきてしまいました。
駅員さんがJRの方ではないので、改札はしないんですね。
けど、一応駅舎の中がどんなんなのか気になって
ふたたび駅舎の中へと戻ってきました(笑)。
ストーブが焚かれていて、とてもあったかいです。
みどりの窓口もちゃんと営業していました。
占冠駅。
占冠村の中心となる駅ですが、村の集落はけっこう遠くにあり、
駅前には占冠村物産館だけが大きく目立つ建物としてあります。
占冠村は人口わずか1,300人ほど。人口密度2人という、
非常に山深い村ですが、占冠駅・トマム駅と
2駅も特急停車駅を持っています。まぁ、特急しかないのですが^^;
トマム駅は道内屈指のスキーリゾート地として冬季の利用が多く、
またこの占冠駅は、周辺の日高町や南富良野町などから、
新千歳空港や札幌へのアクセス手段としての役割を果たしています。
今回、新得まで行かずに占冠駅で下車したのは、
狩勝峠をショートカットするため。
占冠駅前からは村営バスが、富良野方面に向けて
まっすぐ北へと走っています。
このバスに乗れば、一旦狩勝峠を降りて新得まで行き、
そこからふたたびスイッチバックのように峠を登って、
富良野方面の列車に乗り換えるよりは、
かなり早い所要時間で富良野方面へと抜けることができます。
バス路線は上の地図のように、北へ一直線。
一旦新得まで行って、折り返すのとはだいぶ違うのが分かります。
ただし、富良野方面へ抜けられるのは、
この時刻表の通り、ごくわずか。。。
しかも一本は「原商店前まで」って書いてあるし。
今回、僕が乗車するのは富良野線の最終便です。
スーパーとかち5号は、14時33分に占冠駅に到着したので、
バス停を探したりするには、ちょうどいい接続時間でした^^
バスを待つ間、吐く息が白くなるほど寒かったです。
占冠村は道内でも屈指の寒冷地のひとつで、
冬になると-30℃以下まで下がる日もあります。
14時50分頃、富良野ゆきのバスがやってきました。
駅前が始発ではないので、若干遅れての到着となりました。
駅前を出るとあとは大きな停留所はないので、
一番前に乗りました。いわゆる「バスオタク席」というやつ(笑)。
さすが一番前の座席からの眺めは最高です(^^)
北海道らしいまっすぐな道を走っていきます。
ふと運賃表を見ると、「うわっ、安っ!」。
一瞬、子供運賃かと思ってしまいましたが、
子供はさらにこの半額。初乗りに至っては大人50円、子供30円です(^^ゞ
占冠駅を出て、すぐに道路は坂道へと入っていきます。
この道路は、旭川から美瑛や富良野を通って、占冠へ至る、
通称「花人街道」と呼ばれている国道237号線で、
夏になるとラベンダー園などを訪れる観光客で賑わいますが、
占冠まで来ると、さすがに「花人」という雰囲気でもない感じです(^^ゞ
鹿の飛び出し注意マークがありますが、
本当に飛び出してきてしまいそうな雰囲気です。
ずっとまっすぐ走るのかと思ったら、
急に曲がって、湯の沢温泉という温泉に立ち寄りました。
初めて通りましたが、こんな場所にも温泉があるんですね。
坂道を登っていくと、ちゃんと温泉施設が1軒だけありました。
今日は誰も乗ってきませんでしたが、
こうしてわざわざ国道から折れて入って行くぐらいですから
多少は利用者がいるっていうことなのでしょうね。
金山まではあと11kmという看板が見えました。
この時点で、金山駅での列車の発車時刻まであと13分。
どれぐらい遅れを取り戻しているのか分かりませんが、
このまま行ってくれれば、なんとか間に合いそうです。
運転手のおじちゃんも時計を見ながら、
だいたい定刻で走っていることを確認しつつ運転してるようでした。
峠の最高地点でトンネルとなり、ここから南富良野町へ。
トンネルを抜けると、険しい山々が周囲を囲んでいて、
すごいところをバスも走っているもんだなーと思いました。
ここからは一気に下り坂となり、
途中、停留所もまったくないので、順調に進んでいきます。
「次は〜金山駅前です」という放送が流れたので、
下車ボタンを押して、運賃の410円を手元に準備して、
「ありがとうございました〜」(ほんと、ありがとう!)と言って、
バスを速攻で下車しました。バスは定刻通り、15時14分に、
金山駅前に到着してくれました(^^)
列車の時刻は15時16分。わずか2分しか接続時間がないので、
国道からダッシュで金山駅へ。
ホームに着くと同時に列車が入線してきました。ふー、ぎりぎり^^;
これを逃してしまうと、次は2時間ありません。
何はともあれ、滝川行きの列車に乗車できました。
あとはひたすら札幌へ向けて帰るのみです。
滝川までは1時間半ぐらいあるので、
足を伸ばしてゆっくりと車窓を眺めていくことにしました。
車窓左手には険しい山々が迫ってきて、見応えがありました。
芦別岳の山頂付近には雪も積もっていて、とてもきれいです。
ふもとの紅葉も終わっていて、すっかり初冬の景色となりました。
さっきまで読書をしていた人や眠っていた人たちも、
雪をまとった山々に見入っていました。
遠くには旭岳の姿もくっきりと見えてきました。
さすが北海道最高峰(2,290m)の山だけあって、
もう完全に冠雪して、山頂から山麓にかけて真っ白でした、。
9月に訪れたときにすでに紅葉が真っ盛りだったぐらいですから、
11月にもなると、もうこんなに雪が積もってしまうんですね。
富良野が近付くと、十勝岳連峰も姿を見せてくれました。
富良野線からだと正面に見えるのですが、
今、乗っている根室本線からだとちょっと斜めからしか見えません。
こちらもすっかり雪化粧していました。
富良野到着。
ここで富良野線との接続で長時間停車する列車もありますが、
僕の乗車した列車はすぐに発車。
乗ってくる人は数人程度で、
相変わらずガラガラの車内でした。
長いトンネルを抜けて芦別市へ。
その中心となる芦別駅では、高校生がたくさん乗ってきました。
ここでは女性の駅員さんが改札をやっていました。
平岸駅。
札幌の地下鉄にも全く同じ表記と読み名の駅名があります。
札幌の平岸は賑わっていますが、
芦別の平岸はとっても静かでした。
このあたりからだいぶ空が暗くなってきました。
平岸駅の次は茂尻駅。とってもひっそりとした駅でした。
「もしり」と大きく書かれた看板がなんとなく印象的。
無人駅ですが、駅員さんが昔はいたんだろうなーというのが、
改札口の様子からも分かります。
そして16時52分に終点の滝川駅に到着しました。
金山駅でバスから列車に乗り継げなかったら、
まだ金山駅でじーっと待っているところでした(^^ゞ
滝川からは久しぶりに「電車」。岩見沢ゆきです。
朝に乗車した赤い711系に乗り込みます。
旭川から来た電車ですが、ここで特急「スーパーカムイ」を先に通して、
そのあと、17時10分に発車しました。
電車はやっぱり静かです。
缶コーヒーを飲みながら、夜の闇の中を走る旅も
僕はなかなか好きです。
滝川から乗車した高校生たちは、
砂川駅や奈井江駅などの途中駅で降りていきましたが、
逆に乗ってくる高校生もいたため、
乗客の数はそれほど変わらず、岩見沢まで行きました。
岩見沢駅に到着してびっくり。
駅舎がものすごいリニューアルされていました。
数年前に駅舎が全焼してしまったため、
ずっとプレハブの建物だったのですが、
あっという間にこんなにきれいな駅に生まれ変わっていました。
2階が改札口になっており、1階にはお店が入っていました。
生まれ変わった岩見沢駅舎。
駅前のターミナルもきれいに整備されて、
街そのものが生まれ変わったような感じでした。
看板を見ると、来年の春にグランドオープンのようです。
ここでまたしても次の特急「スーパーカムイ」に先を譲り、
僕が乗るのは区間快速いしかりライナーです。
岩見沢からは普通・快速列車の数も増えて、
特急もすべて停車するため、列車の本数が一気に増えます。
最後はオールロングシートの731系。
旅人にはとっても不評の列車です(^^ゞ
区間快速なので、高砂・森林公園・厚別・苗穂と4駅を通過します。
上幌向・幌向・豊幌・江別・野幌・大麻・白石と停車して、
18時42分に札幌に到着しました(^^)
一応、当初の計画通りの行程ではありましたが、
占冠駅〜金山駅までのバスは遅れることを想定していたので、
本来であれば、今ごろ、まだ滝川にも到着していないはずでした(^^ゞ
今回は夕張の街を初めてじっくりと訪ねる旅でしたが、
知らない街を歩くのはやっぱり新鮮味があって楽しいものです。
また夕張には季節を変えて、訪ねてみたいと思った今回の旅でした。
− 今回の旅程 −
札幌 6:24 ⇒ (普通列車 東室蘭ゆき) ⇒ 千歳 7:17
千歳 7:41 ⇒ (普通列車 追分ゆき) ⇒ 追分 8:09
追分 8:40 ⇒ (特急「スーパーとかち」1号 帯広ゆき) ⇒ 新夕張 8:58
新夕張 9:03 ⇒ (普通列車 夕張ゆき) ⇒ 夕張 9:29
運動公園バス停 12:10 ⇒ (夕鉄バス 南部ゆき) ⇒ 清水沢駅前 12:20
清水沢 12:40 ⇒ (普通列車 千歳ゆき) ⇒ 沼ノ沢 12:47
沼ノ沢 13:45 ⇒ (普通列車 追分ゆき) ⇒ 新夕張 13:48
新夕張 14:07 ⇒ (特急「スーパーとかち」5号 帯広ゆき) ⇒ 14:33 占冠
占冠駅前 14:47 ⇒ (占冠村営バス 富良野ゆき) ⇒ 15:12 金山駅前
金山 15:14 ⇒ (普通列車 滝川ゆき) ⇒16:52 滝川
滝川 17:10 ⇒ (普通列車 岩見沢ゆき) ⇒ 17:52 岩見沢
岩見沢 18:05 ⇒ (区間快速「いしかりライナー」 手稲ゆき) ⇒ 18:42 札幌

旅日記は以上で終わりです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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